原爆症認定集団訴訟 全員勝訴の仙台・大阪高裁判決が確定
対象疾病、要医療性を広げる画期的判決
なお狭い「新しい審査の方針」を批判
仙台、大阪両高裁の判決が2008年6月11日確定しました。
仙台高裁が5月28日、原告2人を勝訴とした判決は、2人とも放射線起因性があること、1人は胃ガンの手術後におきるダンピング症候群について食事療法があったこと、もう1人については膀胱ガン手術後に定期検査を受けていたことなどで、要医療性を認めたものです。要医療性についての画期的な判決です。
大阪高裁が5月30日に9人全員を勝訴とした判決は、放射線の影響を直爆線量に限らず、残留放射線や放射性降下物の影響も認め、「残留放射線を吸入したことが造血機能障害を起こし、貧血を発症させ、促進したと見るのが合理的」だとしています。
両判決とも、原爆被害の実態に沿ったもので、原告も弁護団も、日本被団協も高く評価しました。
判決が確定したことで、認定対象疾病も要医療性の判断範囲も今の「審査の方針」の枠を大幅に超えるものになりました。日本被団協、原告、弁護団は「審査の方針」の再改定を急げと要求しています。