被爆者相談所および法人事務所
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あずま数男かずお原爆裁判
完全勝利の判決を 「わたしのひとこと」ダイジェスト

 原爆症認定を求めて国に申請してから11年、却下され裁判を起こしてから5年余。被爆者のあずま数男かずおさんが2005年1月29日、「肝不全」のため亡くなりました。あずまさんが息を引き取ったその日は、控訴審の判決が予定されている3月29日のちょうど2カ月前でした。
 東京地裁で勝訴判決を得たのに、国が無情にも控訴したことによって心身ともに深く傷つけられたあずまさん。しかし「判決までがんばる」と入院生活をつづけていました。あずまさんの死を知った多くの被爆者が、「国は、被爆者が死に絶えるのを待っているのか」と叫んでいます。
 私たちは、無念の死をとげたあずま数男かずおさんに代わって、2005年3月29日に、東京高裁が、地裁判決を尊重した判決を出すよう強く要望します。その要請に賛同してくれた全国のみなさんからの「私のひとこと」の一部をダイジェストで紹介します。
(一部、かなづかいなどを修正、補足しました。)

国がおこした戦争の結果としての原爆の被爆者にきちんと責任を取ってください。
(武蔵野市・女性)

この国ほど戦争の加害についても、被害についても処理を怠っている国はない。それが次の戦争を準備する理由によるものだとしたら許しがたい。憲法にもとづく公正な判決を望む。
(市川市・男性)

被爆は彼(あずまさん)が望んだのか?そうではあるまい。60年の苦しみ、いったい誰の責任なのだろうか。あの戦争の被害者に、当事者だった国の責任が問われているのだ。
(豊島区・男性)

国は、被爆者に対する責任を認めるべきだと思います。原告が亡くなったからといって、うやむやにせずきちんとした判決を出してください。ぼくたち愛知の高校生も願っています。
(名古屋市・男性)

原爆症で苦しんでいる人を救えない国とは何なんだ。当たり前のことを普通にやることが大事なことなのに!良心に従った正しい判決を出すよう強く求めます。
(松戸市・男性)

国とは何なのだろうか。彼(あずまさん)は何も悪いことをしていません。彼の無念な思いを、声を、しっかり受けとめてください。公正判決を望みます。
(杉並区・女性)

被爆後、60年となるにもかかわらず被爆者の声を受けとめないことは、許せません。公正判決を求めます。
(茨城県・女性)

国の控訴が、どんなにかあずま数男かずおさんの尊い命を傷つけ、短くしてしまったことか。腹立たしく思えてなりません。無念の死を無駄にしないでください。二度と殺すことのないように。
(日野市・女性)

被爆して今日まで何時も頭を離れないのは、被爆した私はこれからどのようになるのか、健康でいられるのか。絶えず心配しながら生活をしています。私も十二指腸、乳癌にかかりました。私の母は骨癌で亡くなりました。妹は肺癌になりました。私たちのこの苦しい思いを、国は1日も早く解決して、認めるべきを認めてください。
(小平市・女性)

正しいと思うことをしてください。
(神奈川・男性)

真実を真実として認めてください。二度と同じまちがいをさせないために。平和な世の中がつづくために。あなたたちの人間性、平等性を信じさせてください。公正な判決をお願いします。
(名古屋市・女性)

被爆され生存しておいでの方々の1日は1年の重みがあります。人類、この地球上に生を受けたものの、生命を思うなら、真実に、あるべき姿に対して公正な判決を、遅滞なく出すことを求めます。
(目黒区・女性)

残念、無念の気持ちを抱きながら逝去されたあずまさん、被爆者の一人として誠に悔しい思いでいっぱいです。このような被爆者の熱い願いを、裁判官のみなさまは知悉していただいて公平な判決をお願いします。
(日野市・男性)

あずまさんは、どんな思いで死んでいったのでしょうか? 残された遺族のためにも、すべての被爆者のためにも、地裁判決よりいっそう充実した判決をされるよう、心から訴えます。
(杉並区・男性)

あずまさんは、健康な人でもためらう長い裁判闘争を、病躯を押しながら後に続く人のためにも判決までがんばると入院生活をしておられました。判決を目前にして他界されたあずまさんの無念の思いに応えるためにも、ぜひとも地裁に続いて公正な判決をいただき、墓前に報告したいと思うのです。(日野市・女性)

命をかけて原爆の被害のおそろしさを訴えつづけたあずまさんの、心、体、いのちを、これ以上ふみにじらないでください。高裁の裁判長さん、どうぞ公正な判決をお願いします。
(八王子市・女性)

町田市民として、あずまさんの無念を晴らしていただきたい。一刻も早く(原爆症の)認定を出すことにより、第二のあずまさんを出さないでいただきたい。
(町田市・女性)
注:あずまさんは町田市在住でした。

被爆者の方々は、原爆によって心も体も、人生そのものをズタズタに切りさかれ、筆舌に尽くしがたい苦しみを味わって生きてきました。その被爆者の命をかけた願いに応えるため、公正な判決をお願いします。
(練馬区・男性)

健康で平凡な生涯を送れるはずの人々が、国家間の戦争で犠牲になったのです。その人々の苦しみに寄りそい、できるかぎりのことをしようとするのが人間の道ではないでしょうか。遅きに失して――今すでにそうなっていますが――その方々の苦しみを二重三重に加えるべきではありません。
(北区・女性)

ある小学生の言葉「子どもが変わったのではなく、おとなが変わったんだ。あまりに無責任すぎる」。責任をもって公正な判決をすべきときに来ていると思います。このままでは“死人に口無し”ではありませんか。歴史をねじ曲げ、ふみにじる民族は滅びます。
(昭島市・女性)

あずまさん全面勝利の東京地裁判決に対して、非情にも控訴した厚生労働省は、絶対に許せません。長年、肝機能障害で苦しんできたあずまさんは、勝利を確信していたであろう高裁判決を見ずに亡くなられました。高裁はぜひ正しい判決を出してください。
(佐倉市・男性)

亡くなったあずまさんにかわって、私は公正判決を聞きたい。
(西東京市・男性)

あずまさんの訃報を聞いたときはショックでした。東京高裁が、地裁判決を尊重するよう強く求めます。
(松戸市・男性)

先日、「父と暮らせば」の原爆被害者の映画を観ました。原爆は「悲惨さ」と「害」以外、何もなかったということをあらためて考えさせられる映画でした。判決を待たずに亡くなったあずまさんの無念さを思うと、私も同じ思いになります。ぜひ公正な判決を!
(水戸市・女性)

被爆者が死ぬのを待っているかのような態度はひきょうだ!一日も早く公正な判決を!
(水戸市・男性)

被爆体験のない私たちにとって、あずまさんの死はピンとこないかもしれません。しかし、あずまさんのたたかいを通じて、私は原爆の実相を学ばせてもらいました。政府には、ぜひともあずまさんのたたかいを理解して、原爆症で苦しむ人々の救済を求めます。
(立川市・男性)

あずまさんの死は本当に残念でした。近い将来、核兵器をこの世から完全になくすためにも、今、ヒバクシャの生の声を真摯に聞き、正しい措置をするよう、公正な判決を下してください。未来を生きる者としての心からの願いです。
(豊島区・女性)

被爆されたこと自体、無念なことでしょうが、その後の人生を空しく過ごされたこと、どんなにか大変な、憤りに満ちた日々だったことかと思います。国はあやまちをきちんと認め、つぐないをすべきだと思います。
(茨城県・女性)

私は小学生のとき、被爆二世であることを知りました。父の苦しみも見てきました。私も何時も健康について心配しなければならないことはとてもくやしい思いです。あずまさんも60年間も苦しんだようです。一日も早い公正な判決をよろしくお願いします。
(東京・女性)

私たち被爆者はほとんどが70歳以上の高齢者であり、もう時間がありません。集団訴訟を傍聴して感じることは、国側はなぜ(原告の)過去のことを根掘り葉掘り尋問するのでしょうか。原告は皆、詳しく述べています。一刻も早く認定してください。
(品川区・男性)

被爆した方々の苦痛、恐怖の長さを思うと、本当につらい思いがします。国が、被爆者の全面的な支援をすべきだと考えます。
(八王子市・女性)

被爆者は国の誤った戦争政策の犠牲者です。精神的にも、肉体的にも、限界となっている被爆者の早急な救済が必要です。亡くなったあずまさんに報いるためにも、原爆症の認定を。
(大田区・女性)