被爆者相談所および法人事務所
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医療費

医療保険が使える範囲の医療費の自己負担はほとんどなし
「保険料」に免除はなし、一部の疾病は助成なし

 医療保険(健康保険組合、協会けんぼ、共済組合、国民健康保険、後期高齢者医療制度など)の「保険料」には、被爆者としての減免制度はありません。
 上記の医療保険を使って医療を受けたとき、通常はかかった医療費の1割から3割を自己負担分として支払います。しかし、被爆者はこの自己負担分が「被爆者の制度」で助成されるため、ほとんどの医療費がかかりません。
 ただし、医療保険が使える範囲でも、以下にまとめたものは助成対象ではないため、「被爆者健康手帳」を見せても自己負担があります。

助成対象にならない疾病

  • 軽いムシ歯(C1、C2 など)
  • 遺伝性の病気
  • 被爆前からの精神病
  • 生まれつきの病気・障害
  • 明らかに原爆が原因ではない障害(事故、中毒、伝染病、天災など)

 病院や診療所、歯科医院、調剤薬局などが被爆者医療の契約をしている「被爆者一般疾病医療機関」であれば、対象になる医療保険の範囲の自己負担分はその場で無料となります。医療保険が使える接骨院・整骨院も、手続きをすれば無料になります。
 一方、医療保険の範囲ではない室料差額(差額ベッド)、文書料(診断書など書類の代金)やインフルエンザなどの予防注射、歯科の自費治療などは、被爆者も自己負担(有料)です。

医療費の払い戻し請求
医療保険が使える範囲の自己負担分を払ったとき

 「被爆者一般疾病医療機関」の契約をしていない病院や診療所、歯科医院、調剤薬局などでは、「被爆者健康手帳」を見せても、その場では自己負担が必要です。しかし、このとき支払った医療保険の自己負担分は、払い戻しが受けられます。
 「一部負担金」か「一般疾病医療費」として5年分(「被爆者健康手帳」の交付を受けた時期がそれ以内の人はその交付の月)までさかのぼって請求できます。整骨院や鍼灸院でも医療保険が使える場合は、自己負担がなくなります。

装具の払い戻し請求 2段階の払い戻し手続きになります

 コルセットのような比較的簡単なものから、金属の支柱を使った下肢装具、義手・義足などの「装具」の費用は、医療保険(健康保険)が使える範囲内であれば「被爆者の制度」の助成対象になります。ただし、「装具」は患者個々人に合わせて業者が作りますから、いったん「装具」の費用(実費全額)を支払ったあとで払い戻しの請求をします。この場合、(1)医療保険の自己負担分を除いた保険負担分の払い戻しを受け、そのあと(2)医療保険の自己負担分を「被爆者の制度」から払い戻しを受けるという、2段階の手続きになります。
 東京都の医療費助成を受けている被爆二世の場合も、医療費助成が認められている病名(医療券に記載)に関わる「装具」を医師の指示によって作成した場合には、保険が使える範囲の「装具」費用は払い戻しを受けることができます。