無料の健康診断・がん検診
健康診断を無料で受けられます(定期健診年2回、希望健診年2回、あわせて年4回)
東京都は独自に胸部X線(レントゲン)、心電図などを追加
被爆者は、指定の病院で定期健康診断を年2回、随時受けられる希望健康診断を年2回、計4回受けられます。健康診断の指定を受けている病院のなかには、定期健康診断しか受けられない病院があります。注意してください。
東京都は、被爆者援護条例の独自施策として、健康診断一般健診に、胸部X線・心電図・血清コレステロール検査を追加しています。健康診断で異常があった場合、精密検査が受けられます。(検査項目のまとめは下記)健康診断は、受ける義務があるわけではありません。
また東京都は独自施策として、定期健診と希望健診、がん検診を受けた被爆者に、1回ごとに1,000円の奨励金を年2回分まで出しています。奨励金の申請は、健診を受けた日から30日以内が締め切りとされています。
精密検査が必要になった人には、精密検査に必要な交通費の実費が、精密検査を受けた回数まで支給されます。精密検査を健康診断と同じ日に一緒に受けても、奨励金と交通費の両方を申請できますが、自宅から一番近い健康診断指定の病院までの交通費になります。
被爆者の無料健康診断の時期
- 定期健康診断(年2回)
- 春期:5月から6月、秋期:11月から12月
- 希望健康診断(年2回)
- 毎年4月1日から翌年3月15日までの期間に2回まで。「希望健康診断」を実施してくれる医療機関に事前に申し込んでください。
一般健診の検査項目(東京都)
- 基本検査(問診、血液検査、CRP検査、尿定性検査、血圧測定)
- 胸部X線撮影検査 (東京都独自の追加項目)
- 心電図検査 (東京都独自の追加項目)
医師が必要と認めたとき追加で受けられる検査
- 肝機能検査
- ヘモグロビンA1c
- 血清総コレステロール定量検査 (東京都独自の追加項目)
被爆者はがん検診も無料(男性4種類、女性6種類)
年4回の健康診断のうち、1回をがん検診に切り替えます
被爆者は、年2回受けられる希望健康診断のうちの1回分をがん検診に切り替えられ、男性は4種、女性は6種のがん検診を無料で受けられます。がん検診を受診できる期間は希望健診と同じです。
原爆放射線を受けたことで、がんへの不安を持っている被爆者は多くいます。検診の段階で発見された自覚症状のないがんは、大半が治っています。被爆者のがん検診を積極的に受けましよう。
胃がんは、胃カメラ(内視鏡)またはパリウムを飲んでおこなう胃X線(レントゲン)検査のいずれかが受けられます。
無料で受けられる一般健診とがん検診の条件
定期健診(春・秋の年2回)、希望健診(年2回)
希望健診のうち1回を、がん検診に切り替えて受けられます。
年間の受診例: 定期健診2回とがん検診1回の計3回 など
がん検診の検査項目(東京都)
-
胃がん検診
問診、および胃部X線検査または胃内視鏡検査。 - 肺がん検診
問診、および胸部直接X線検査。医師が認めたときは喀痰細胞診 - 多発性骨髄腫検診
問診、および血清蛋白分画検査 - 大腸がん検診
問診、および便潜血検査 - 乳がん検診
女性のみ。問診、および視診、および触診、乳房X線検査=マンモグラフィ - 子宮がん検診
女性のみ。問診、視診、内診および頸部細胞診検査。医師が認めたときは、体部細胞診検査およびコルポスコープ検査
精密検査の費用は限度額以上は自己負担
被爆者健康手帳と医療保険を使い医師の診察で受診を
被爆者健康診断と被爆二世の健康診断やがん検診を受けた後、精密検査を受けた場合は、限度額(7,028円)を超えた額が自己負担になります。この限度額は、検査費用の全額(10割)です。医療保険を使った自己負担分(1割から3割)ではありませんので、ほとんどの精密検査が限度額を超えます。注意してください。
病院などで医師の診察を受けて必要な検査を受ければ、被爆者の場合は、医療保険と「被爆者健康手帳」を使って無料で検査が受けられます。なるべく精密検査の制度を使わず、かかりつけの医師の通常の診察を受けて、「健康診断を受けたら精密検査が必要と言われた」と、健康診断の結果を持参して、相談してください。