介護保険制度と原爆被爆者

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介護保険とは

介護保険料は被爆者も負担

40歳以上の人は全員が強制加入
被爆者も一般と同じ負担。区市町村ごとに所得で決められた介護保険料を払う。
65歳以上の人の保険料の支払い
年金額が、月15,000円以上の人は、振り込まれる年金から天引き。
それ以下の人は区市町村に個別に払う。
65歳未満の人の保険料の支払い
健康保険料、国民健康保険料に上乗せされる。

介護サービスの申請方法

介護が必要になったときの申請先
 65歳以上の人は介護が必要になった原因や病名の制限なし。
 40歳~64歳の人が介護保険のサービスが必要になった場合は、介護が必要になった原因が指定された16種類の病名に限られている。
 介護が必要になったら、区市町村役場に申請。申請は、本人の家族、成年後見人か、区市町村が紹介する民生委員、地域包括支援センターなどの介護保険の事業所が代わって出すこともできる。

【注意】 2018年8月から、年間の所得額が340万円以上の人などの自己負担が、3割に変更されます。

サービスが受けられる条件

区市町村に申請して「要介護1から5」に認定された人
「介護サービス」が受けられる。
区市町村に申請して「要支援1か2」に認定された人
「介護予防サービス」が受けられる。

介護サービスを受けるには

「要介護1から5」の人
ケアマネージャーにケアプランをつくってもらい、施設や事業所と契約する。
「要支援1か2」の人
「地域包括支援センター」に連絡し、介護予防のケアプランをつくってもらい、施設や事業所と契約する。

利用料の一部は被爆者は無料

 介護保険の範囲の自己負担は1割から3割。介護サービス利用料は施設や事業所から請求される。
 介護保険のサービスの自己負担のうちの大半は、被爆者手帳で無料になる。
自己負担が1割、2割、3割のいずれかの通知は、住んでいる自治体から届く。

医療系サービスは、「要介護1~5」「要支援1~2」とも自己負担(1割~3割)が、被爆者手帳で無料になる

 介護保険を利用して請求される医療系サービスの利用料「介護サービス費」(要介護1~5)、「介護予防サービス費」(要支援1~2)は、被爆者手帳で無料になります。「要支援」の人が対象外とされたサービスが一部あります。

医療系サービスはすべて介護保険の自己負担がない

【注】2018年8月から年間の所得額が340万円以上の人などの自己負担は3割に変更。

在宅サービス

訪問看護
保健師や看護師から、身体機能を維持、回復するための訓練を家庭内で受けるサービス
訪問リハビリテーション
理学療法士などから、身体機能を維持、回復するための訓練を、家庭内で受けるサービス
通所リハビリテーション(デイケア)
老人保健施設や介護療養型医療施設に家庭から通って、理学療法士などから心身機能を維持、回復するための訓練を受けるサービス
居宅療養管理指導
医師、歯科医師、栄養士、薬剤師、歯科衛生師から、療養上の管理、医学的指導を、家庭内で受けるサービス
短期入所療養介護(ショートステイ)
老人保健施設や介護療養型医療施設に短期入所をして、介護、機能訓練、日常生活の世話を受けるサービス

施設サービス

介護老人保健施設入所(老健)
病状が安定し病院での入院治療が必要でない人が、介護老人保健施設に入所して受けるサービス
介護療養型医療施設入所
長期に療養を必要とする人が、療養型病床、老人性痴呆疾患病棟に入院して、医療と介護を同時に受けるサービス
介護医療院
長期の医療と介護のニーズを併せ持つ高齢者が対象。日常的な医学管理やターミナルケアの医療と生活支援を受けるサービス

自己負担分1割から3割は、被爆者手帳で負担なし

手帳が使える施設・事業所(被爆者一般疾病医療機関)に、手帳を示せば請求されない。
手帳が使えない施設では、立て替えてから東京都に申請して払い戻しを受ける。
【注】食事代、居住・滞在費(室料・水道光熱費)、日用品費、汚物処理代など保険の対象外は、被爆者も自己負担

福祉系サービスのうち「要介護1~5」は自己負担が無料 「要支援1~2」は対象外か自己負担があるサービス

 「要支援1~2」の「介護予防サービス費」が介護保険の制度からはずされ、「区市町村が取組む介護予防、生活支援サービス」となりました。このため、「要支援1~2」の人の「介護予防サービス費」の一部が、被爆者も自己負担になりました。「要介護1~5」の人が下記のサービスを受けた場合は、これまでどおりです。

在宅サービス

通所介護(デイサービス)
デイサービスセンターなどに家庭から通って、入浴や食事など日常生活の世話を受けるサービス
短期入所生活介護(ショートステイ)
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)に、短期入所をして食事、排泄、入浴など日常生活の介助を受けるサービス

施設サービス

介護老人福祉施設入所(特別養護老人ホーム=特養)
常に介護が必要で、家庭での生活が困難な人が介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)に入所して受けるサービス
「要支援1~2」「要介護1~2」は利用できない

自己負担分1割から3割は、被爆者手帳で負担なし

都内の施設は全て被爆者一般疾病医療機関とみなされ立て替えは不要。
都外の施設は立て替えてから東京都に申請する。

在宅サービス

訪問介護(ホームヘルプ)
ホームヘルパーから、家庭内で食事、排泄、入浴などの身体介護や食事の支度、買物、掃除、洗濯などの家事援助を受けるサービス
「要支援1~2」は助成の対象外

所得税非課税世帯の被爆者は負担なし(別に手続きが必要)

「要介護」「要支援」とも自己負担がある福祉系サービス

在宅サービス

訪問入浴介護
入浴の設備を持った車を派遣してもらい、家庭内で入浴の介助を受けるサービス
認知症対応型生活共同介護(グループホーム)
認知症の状態にある人が少人数で共同生活をおくりながら、その住い(グループホーム)で受ける日常生活の世話などのサービス
特定施設入所者生活介護
有料老人ホーム(ケアハウス)などに入所している人が、食事、入浴などの介護や日常生活の世話、機能訓練などを受けるサービス
居宅介護福祉用具貸与・購入費
介護用の特殊なベッドや車イスなどの福祉用具の貸し出しを受けるサービス。排泄用具など貸し出しになじまない福祉用具購入費の支給を受けるサービス
居宅介護住宅改修費
手すりをつけたり段差をなくすなど、住宅の改修に必要な費用の支給を受けるサービス

「地域密着型サービス」と「地域密着型予防サービス」 「要介護1~5」「要支援1~2」とも自己負担はさまざま

 「地域密着型サービス」と「地域密着型予防サービス」は、医療系、福祉系の複数のサービスが組み合わされています。このため、自己負担もさまざまになっています。以下で説明します。

「要介護1~5」「要支援1~2」とも自己負担がないサービス

認知症対応型通所介護
認知症の人がデイサービスセンターに通って機能の維持、回復のために受けるサービス
小規模多機能型居宅介護
施設に通って、施設にショートステイをして機能の回復のための訓練を受けるサービス

「要介護1~5」のみが自己負担がないサービス

地域密着型通所介護
中重度の人が施設に通って、機能の回復のための訓練を受けるサービス
「要支援1~2」は利用できない
看護小規模多機能型居宅介護
施設に通って、施設にショートステイをして機能の回復のための訓練を受けるサービス
「要支援1~2」は利用できない
定期巡回・随時対応型訪問介護看護
中重度の人の必要に応じて介護・看護スタッフが訪問、介護や緊急対応するサービス
「要支援1~2」は利用できない
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
中重度の人が定員29人以下の特別養護老人ホームに入居して受けるサービス
「要支援1~2」は利用できない
【注】食事代、居住・滞在費(室料・水道光熱費)、日用品費、汚物処理代など保険の対象外は、被爆者も自己負担

「要介護1~5」「要支援1~2」ともが自己負担があるサービス

夜間対応型訪問介護
中重度の人を夜間に定期的に巡回したり通報により、身体介護をするサービス
「要支援1~2」は利用できない
認知症対応型共同生活介護
認知症の人がグループホームなどに通って日常生活の世話を受けるサービス
地域密着型介護特定施設入所者生活介護
中重度の人が定員29人以下の有料老人ホーム(ケアハウス)に入居して受けるサービス
「要支援1~2」は利用できない
【注】食事代、居住・室料・水道光熱費、日用品費など介護保険の対象外は自己負担

共生型サービス 2018年4月からの新しいサービス

 介護保険と障害福祉の両方のサービスを結合した「共生型サービス」。対象になるサービスは、「訪問介護」「通所介護」「地域密着型生活介護(予防を含む)」。
【注】新しいサービスのため被爆者の自己負担については、東京都に連絡がきていません。利用される場合は、東友会(電話:03-5842-5655)にお問い合わせください。

被爆者の独自の制度「介護手当」をご存知ですか

 介護保険制度とは別に、被爆者独自の制度「介護手当」があるのを知っていますか。
 介護が必要になった被爆者が、自宅で介護を受けているとき、東京都に申請して認定されると、「一般(他人)介護手当」か「家族介護手当」のどちらかを受けることができます。
 「介護手当」には所得制限はありませんが、介護が必要になった原因となった病気によっては、実際に介護を受けていても、認定されない場合があります。
 介護保険の在宅サービスを受けていても、被爆者の「介護手当」を受けることができます。ぜひ、東友会に問い合わせてください。

【注】病院に入院している人、介護老人保健施設や老人ホーム、有料老人ホームなどの施設に入所したり、ショートステイしている被爆者は、入院・入所の期間は介護手当を受けられない。(入所日、退所日、外泊の日は介護手当が認められる)

【注】介護手当は、毎年更新手続きが必要です。

介護手当の基準
いままでに認定された被爆者から見ためやす

  • 重度の障害:身体障害者1,2級程度。介護保険では「要介護4,5」程度。
  • 中度の障害:身体障害者3級程度。介護保険では「要介護2,3」程度

対象にならない人

  • 障害の原因が事故、中毒、遺伝など明らかに原爆以外にある場合。
  • パーキンソン病、リウマチなどの難病が原因となっている人。

この基準より軽くても認められる場合もあります。くわしくは、東友会にお問い合わせください。

一般(他人)介護手当 重度:毎月125,290円限度 中度:毎月90,190円限度
東京都の独自加算 1日1,000円20日分限度を含む

 ホームヘルパー(介護保険以外も含む)や別居の親族、知人や友人に介護料(人件費)を払って介護を受けている被爆者が対象。訪問介護(ホームヘルプ)の費用も請求できる。
 他人(一般)介護手当から介護料を受ける人(介護人)は、勤労収入になるので、一定額以上は申告が必要。介護人は、通勤交通費も請求できる。

家族介護手当 毎月39,480円
東京都の独自加算  毎月17,500円を含む
東京都は被爆者援護条例で、中度の障害がある被爆者も家族介護手当の対象に

 介護料を払わずに、同居の家族から介護を受けている被爆者が対象。
 重度でも中度でも家族介護手当の手当額は同じ。
 扶養関係のない別居の親族、知人や友人、ホームヘルパーに謝礼や介護料を払って介護を受けている被爆者は、他人介護手当の対象になる。

 ホームヘルプサービスの自己負担が免除されている所得税非課税世帯の被爆者は、 介護保険のヘルパーの介護を受けていても被爆者の家族介護手当を受けられる。