原爆症認定集団訴訟 長崎地裁判決に対する不当控訴に抗議する声明
2008年6月27日
- 日本原水爆被害者団体協議会
- 原爆症認定集団訴訟全国原告団
- 原爆症認定集団訴訟全国弁護団連絡会
厚生労働大臣は、本日、長崎地方裁判所が6月23日に言い渡した原告27名の判決に対して、国が勝訴した7人と新しい審査の方針ですでに認定された10人を除く10名に対して、原爆症認定申請却下処分を取り消すとの判決を不服として控訴を行なった。
今回の控訴は、早期の解決を求める国民世論と、自民党など与党議員を初め、全ての政党、多くの国会議員の控訴断念を求める声を踏みにじる極めて不当なものである。
原告側が勝訴している10人の中には、C型肝炎を含む肝機能障害を持つ6名の原告が含まれている。私たちは、肝機能障害について、大阪高裁で勝訴した甲状腺機能低下症を含め、新しい審査の方針の積極認定の対象疾病に加えることを強く求めてきた。長崎地裁が新しい審査の方針が策定されて後の裁判において、6名の原告の肝機能障害を原爆症と認めたことは、C型肝炎を含む肝機能障害に対して原爆症と認定すべきであるとの司法の判断が定着したことを示している。
厚生労働省は高齢化した被爆者の原爆症認定問題を早期に解決すべく、新しい基準で積極認定に含まれない3名の原告の認定についても、司法の判断に従うとともに、不当な控訴を断念し、新しい審査の方針をすみやかに改定したうえで、集団訴訟の早期解決に当たることを強く求める。