原爆症認定集団訴訟長崎地裁判決を受けての申入書
2008年6月23日
- 日本原水爆被害者団体協議会
- 原爆症認定集団訴訟全国原告団
- 原爆症認定集団訴訟長崎原告団
- 原爆症認定集団訴訟全国弁護団連絡会
- 原爆症認定集団訴訟長崎弁護団
一 申し入れの趣旨
- 長崎地裁判決に対する控訴を断念すること。
- 仙台・大阪両高裁判決及び長崎地裁判決の趣旨を踏まえ、「審査の方針」を原爆被害の実態に即したものに再改訂すること。
- 仙台・大阪両高裁判決及び長崎地裁判決を機に、全国の原爆症認定集団訴訟を一括解決すること。
- これまでの被爆者切り捨ての認定行政を反省し、被爆者に謝罪すること。
- 厚生労働大臣が私たちと面談して、この申し入れに回答すること。
二 申し入れの理由
本日、長崎地方裁判所は、原爆症認定長崎訴訟に関して、原告20名の認定申請却下処分を取り消す旨の判決を言い渡した。
本判決は、本年4月に「新たな審査の方針」が施行されてから、3件目の判決であり、しかも被爆地長崎における判決として重要な意義を有する。
とりわけ、「原告らの申請疾病において最も多く問題とされた慢性肝炎、肝障害等については、放射線起因性が認められる」と判断したこと、ガラス摘出後遺症、両変形性膝関節炎・足関節炎、狭心症など、本年4月以降に厚生労働省が実施している「新しい審査の方針」でも、なお積極認定の対象としていない疾病について、幅広く放射線起因性を認めたこと、また、総論においても、残留放射線及び内部被曝を重視した総合認定における明快な認定基準を示したことが重要である。
以上の次第で私たちは、国に対し、控訴断念、「審査の方針」の再改訂、集団訴訟の一括解決、謝罪を求めるものである。厚生労働大臣は、直接面談をし、私たちの要求に回答することを求めるものである。
以上