原爆症認定集団訴訟 近畿第3次訴訟 大阪地裁判決についての声明
2011年12月21日
- 原爆症認定集団訴訟近畿原告団
- 原爆症認定集団訴訟近畿弁護団
- 原爆症認定集団訴訟全国弁護団連絡会
- 日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)
- 原爆症認定集団訴訟支援近畿ネットワーク
- はじめに
本日、大阪地方裁判所第2民事部(山田明裁判長)は、原爆症認定集団訴訟近畿第3次訴訟に関し、未認定原告5名のうち4名の却下処分を取り消す勝訴判決を言い渡した。これにより、原告7名中6名までが認定された。1名については、残念ながら要医療性が認められなかった。 - 今回の判決は、厚労省が現在行っている原爆症認定行政が、なお著しく誤っていることを示した。国は繰り返し加えられている司法による批判に従い、被爆者に対する国の責任を即刻果たすべきである。
- 3 判決は、被爆者に対して国が認めようとしなかった入市と残留放射線による広範な被爆と内部被曝による人体影響について、「誘導放射化物質及び放射線降下物を体内に取り込んだことによる内部被曝の可能性がないかどうかを十分に考慮する必要があるというべきであり、加えて、内部被曝による身体への影響には、一時的な外部被曝とは異なる性質が有り得ることを念頭に置く必要があるというべきである」と改めて確認した。このことは、福島第一原発災害による放射線被曝に対してこれまでと異なる抜本的かつ今後長期間にわたる綿密な調査に基づく対策が必要となることを示している。
- 国は、2009年8月6日の「原爆症集団訴訟の終結に関する基本方針に係る確認書」を締結したにも拘わらず、自ら定立した「新しい審査の方針」すら無視して原爆症認定行政を著しく後退させ、被爆者をなお苦しめ続けている。不当に認定却下処分を受けた被爆者は、これを甘受することができず、大阪地裁での提訴をはじめとして、広島、熊本、札幌、名古屋、岡山でもこれに続き、現在59名が集団訴訟後も新規に提訴して、再び裁判で解決をせざるをえないような状況が生じている。
- 国が、21万余の被爆者の命ある内に、原子爆弾による被害救済の責任を果たすことこそ、地上から核兵器をなくすという人類の取るべき道を進めることであり、同じ放射線被害を受けた原発被害者の救済につながるものである。
以上