原爆症認定集団訴訟 厚労大臣との第2回定期協議ひらかれる
被爆者「原爆の影響があるから『被爆者』なのでは?」
大臣「制度見直しを最大限努力する」
原爆症認定集団訴訟の解決のための厚生労働省大臣と日本被団協、原告団、弁護団との第2回定期協議が、2011年11月18日に厚生労働省内で開かれました。
これは、2009年8月、麻生太郎首相(当時)と日本被団協が取り交わした原爆症認定集団訴訟についての「確認書」に基づいて、年1回開催されるもの。2011年1月に予定した日が民主党政権の事情により延期され、1年10カ月ぶりの開催となりました。今回の協議開催は、かねてから親交のあった小宮山洋子大臣の就任にあたって、東友会と地元の世田谷同友会役員が9月末に面談して、早期開催を要望したことが実ったものです。
協議は、小宮山大臣と田中煕巳日本被団協事務局長のあいさつではじまり、埼玉県の久保山栄典さんと東友会の坂本治子さん(北区)が、被爆者を代表して発言しました。
坂本さんは、甲状腺機能低下症で出した原爆症の申請が1年3カ月後に却下されたこと、長崎の2.3キロで被爆し、当日から1カ月ぐらい1.6キロの場所で生活していたので国の認定基準を満たしているはずだと訴え、同様の事例で却下された4人の東京の事例も紹介し、「私たちに被爆者手帳が交付されているのは、原爆の放射線の影響があるからではないのでしょうか」と大臣に問いかけました。
さらに宮原哲郎弁護士などが、(1)現行の原爆症認定審査方針の再々改定、(2)審査結果の開示、(3)医療分科会委員の入れ替えと被爆者援護法の改正についての「統一要求書」の内容を説明し、現状の審査の問題点を指摘しました。
小宮山大臣は、「議員時代に党の担当委員会に所属していたので事情はわかっている」、司法の判断と厚労省の審査の乖離については、「どうしてこのようなことになったのか、詳しく聞いてみたい」「制度の見直しに最大限の努力をする」と回答。次回の定期協議までの間の事務レベルでの協議をすすめるために、担当副大臣と政務官を置くことを約束しました。
今回の協議には、大臣のほかに健康局長など担当局から4人、日本被団協、原告団、弁護団から15人が参加。東友会からの26人をはじめ全国から60人が傍聴しました。