被爆者相談所および法人事務所
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原爆症認定集団訴訟 千葉第2次訴訟 千葉地裁判についての声明

  1.  本日、千葉地方裁判所民事第3部(堀内明裁判長)は、原爆症認定集団訴訟・千葉第二次訴訟に関し、未認定原告のうち1名について、厚生労働大臣の認定申請却下処分を取り消す、原告勝訴判決を言い渡した。
  2.  すでに、全国各地の地方裁判所・高等裁判所において、同様の判決が24回繰り返され、本日の千葉地方裁判所における判決も、これらと同様、厚生労働大臣の原爆症認定のあり方を厳しく断罪するものである。
     本判決の勝訴原告の申請疾病は、2008年3月に策定された(2009年6月に改訂)「新しい審査の方針」で積極認定の対象となっている甲状腺機能低下症であるところ、本判決まで認定に至らなかったものである。
     本判決は、「新しい審査の方針」で積極認定の対象となる疾病でありながら救済されることのなかった原告が、司法の手により救済されたものであり、本判決により「新しい審査の方針」の限界(司法と行政の乖離)が明らかになった。近時、認定申請の却下事案が増加傾向にあるが、本判決は、この「新しい審査の方針」の認定基準、運用について抜本的な見直しを迫るものである。
     なお、白内障の原告について、原爆症と認めなかった判断は、現在の医学的な到達点を無視し、この間の判例の流れに逆らうもので、明らかに誤っており、強く抗議する。
  3.  厚生労働大臣に対しては、原爆症認定についてこれを根本的に批判する司法判断が定着しているということを厳粛に受け止め、原爆が被爆後64年を経過してもなお被爆者の身体と心と暮らしを傷付け続ける非人道的な兵器である事実を直視することを求める。
     唯一の被爆国である我が国は、世界に向けて核兵器の恐ろしさを最も説得的に発信することができる国であり、また、発信する責務がある。
     私たちは、国に対し、原爆被害を直視するとともに、核兵器廃絶に向けて唯一の被爆国としての責務を果すことを求める。

2010年5月25日

  • 原爆症認定集団訴訟全国原告団
  • 原爆症認定集団訴訟千葉県原告団
  • 原爆症認定集団訴訟弁護団全国連絡会
  • 原爆症認定集団訴訟千葉県弁護団
  • 日本原水爆被害者団体協議会
  • 千葉県原爆被爆者友愛会
  • 原爆症認定集団訴訟を支援する千葉の会