原爆症認定集団訴訟 大阪地裁の勝訴判決についての声明 被爆者の全面救済を
2006年5月12日
- 原爆症認定訴訟近畿弁護団
- 原爆訴訟支援近畿連絡会
- 原爆症認定集団訴訟全国弁護団
- 日本原水爆被害者団体協議会
- 原爆症認定集団訴訟を支援する全国ネットワーク
本日、大阪地裁第2民事部(西川知一郎裁判長)は、原爆症認定訴訟において、原告全員の請求を認める判決を言い渡しました。全国13地裁の原爆症認定集団訴訟における先駆けとなる判決です。
本判決は、原告全員につき原爆症と認定したこと、被爆の実態を正面から見つめて、原爆症についてはなお未解明の部分が多いことを前提として、現在厚生労働省がとっている原因確率論の機械的適用を排斥したことにおいて、画期的なものとなっています。
(1)被爆者援護の立場に立ち、
(2)被爆者援護法の国家補償的性格を積極的にみとめ、
(3)入市・遠距離被爆者についても広く認定の対象とし、
(4)現在の原爆症認定制度を根底から批判し、
(5)被爆の実態を見据えた新しい認定のあり方を示し、
(6)要医療性を広く認め、
これらの点において今回の判決は、厚生労働省の原爆症認定行政の抜本的転換を求めるものです。
また国の原爆被害過小評価の姿勢を批判したものであり、世界中に核兵器の非人間性を訴え、世界から核兵器を根絶するよう呼びかけるメッセージでもあります。
私たちはこの判決が、五月晴れの空に舞う鯉のぼりのように、世界中の空にはためくことを願っています。
厚生労働大臣は、170名の原告のうち26名が既に亡くなっていることふまえて本判決を厳粛に受け止め、控訴することなく、直ちに認定制度の抜本的改革を図るべきです。
以上