23カ月ぶりに厚労大臣との「定期協議」 被爆者の要求にはゼロ回答
2016年12月12日、塩崎恭久厚生労働大臣と日本被団協、原爆症認定集団訴訟全国原告団、弁護団連絡会との定期協議が開かれ、全国から118人が参加しました。これは、2009年8月6日、当時の麻生太郎首相・自民党総裁と日本被団協が結んだ「原爆症認定集団訴訟の終結に関する基本方針に係る確認書」に基づく協議で、調印当時は年1回定期に開催とされながらも、実績は7年間で5回、今回は23カ月ぶりとなりました。
協議は、塩崎大臣と日本被団協の田中煕巳事務局長の挨拶ではじまり、原告団副団長の森内實さんが長崎での悲惨な体験と原告の思いを証言。今回の要請内容、(1)現行の被爆者援護法の国家補償の法への改正、(2)日本被団協の「提言」にそった原爆症認定制度の改定、(3)今後の定期協議の開催などについて、宮原哲朗原爆症認定集団訴訟全国弁連事務局長、藤原精吾ノーモア・ヒバクシャ訴訟全国弁護団長と児玉三智子被団協事務局次長が説明しました。
しかし、塩崎大臣はゼロ回答。これを受けて、石川県被団協の西本多美子会長、濱住治郎被団協事務局次長、長崎被災協の横山照子副会長が、原爆症認定を求める被爆者の実態と思いを感動的に紹介。安原幸彦弁護士は、「『確認書』以後、申請を却下された被爆者の1割弱が裁判を起こし、うち9割が勝訴している。裁判を起こせるかどうかが認定の成否を決めている。障害の程度の区分が難しいと大臣は言うが、厚労省管轄の他の制度でも障害による区分はあり、専門家もいる」と厳しく反論。これについて大臣は回答できず、今後は年1回の協議を開きたいと7年前の確認内容をくり返しただけでした。