被爆者相談所および法人事務所
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厚労省医療分科会が原爆症認定基準を一部改定

被爆の実態、被爆者の願いとは程遠く

 原爆症認定を審査する厚生労働省の原爆被爆者医療分科会は、2013年12月16日、認定についての「新しい基準」の一部改定を決めました。
 3年もつづいた「原爆症認定制度に関する検討会」の報告と、自民党「原子爆弾被爆者救済を進める議員連盟」の決議をもとにして、厚生労働省がまとめた基準を承認したものです。改定された新基準については、別ページにくわしく掲載しています。
 この決定について日本被団協は、厳しい抗議声明を出しました。「被爆の実態と裁判所の判断に従わない基準の改定に強く抗議する」「今後とも被爆の実態に見合う再度の改定を求めるとともに認定制度の抜本的改善が実現するまでたたかいつづける」と述べ、国・厚労省の姿勢を正面から批判しています。

マスコミも被爆者を支持する論陣

 マスコミ各社もそろって批判的な論評を掲げました。NHKは深夜の「時論公論」で、「救済対象の幅は小幅にとどまり」司法と行政の判断に「かなりの隔たりが残った」とし、「原爆で理不尽な被害を受け、長年苦しんできた被爆者の救済を援護法の精神に則って、すみやかにすすめてほしい」と解説しました。朝日新聞は辛辣でした。「国の敗訴が続いたのは被爆者援護法をねじ曲げて運用してきたからにすぎない」と断じ、中国新聞は「距離条件制約に反発」「今後も訴訟続く可能性」、東京新聞は「内部被ばく考慮ないまま決定」、愛媛新聞は「苦難の歴史を歩んだ被爆者に、これ以上裁判でたたかわせたり、あきらめさせることは許せない」と論説。
 東友会は、このような国民世論に支えられていることに確信を持ち、認定制度抜本改正のたたかいをつづけることにしています。

世論と運動の力で

 東友会は、原爆症認定問題の根本的な解決をめざす上で、「国の償い実現運動」と合わせて、国民世論に呼びかけるさまざまな取り組みをおこなう予定です。

広い部屋に並べられた長机に着席する委員ら。
厚労省医療分科会