厚労省の原爆症認定制度「検討会」 被爆の実態より「理論」優先
2011年6月13日、厚生労働省で「原爆症認定制度の在り方に関する検討会」が開かれ、14人の委員のうち日本被団協の坪井直代表委員と田中煕巳事務局長、広島・長崎両市の副市長など12人が参加。被爆者や弁護士ら50人程度が傍聴するなか、厚労省が推薦した医療と放射線や司法の専門家からのヒアリングが行われました。
現在、厚労省の原爆症認定審査を担当している被爆者医療分科会の責任者・谷口英樹会長は、集団訴訟運動によって広げられた新基準を、「国際的に認められた科学的知見に沿わない」「放射線起因性が科学的に証明されているとは言えない疾病まで対象になっている」と批判。丹羽太貫京都大名誉教授はDS86に心酔した発言を重ね、東数男原爆訴訟の東京高裁判決を担当した岩井俊氏は、司法は証拠に基づいて個々に判断するもので、一般的な認定基準を提示したり形成するものではないと発言しました。
谷口氏の原爆被害の実態を見ず机上の理論だけで審査を続ける発言には、傍聴席から失笑や驚きの声がもれていました。
次回の検討会は6月27日に予定されています。