被爆者相談所および法人事務所
〒113-0034 文京区湯島2-4-4平和と労働センター6階
電話 03-5842-5655 ファックス 03-5842-5653
相談電話受付時間
平日 午前10時から午後5時、土曜 午前10時から午後3時

原爆症認定集団訴訟 東京第3次訴訟 原告が被爆体験を陳述

弁護団が早期救済を要求

 東京の原爆症認定集団訴訟の第3次(原告24人、8人認定、未認定16人)の第1回口頭弁論が、2010年7月13日午後、東京地裁522号法廷で開かれ、57人が傍聴しました。担当裁判長は、第2次訴訟で審理と判決を担当した同じ人。そこで、髙橋右京弁護士が冒頭陳述に立ち、「被告・国側の主張は、(これまでのくり返しで)審理をいたずらに長期化させ、被爆者の早期救済を阻むもの」と批判。被爆の実態に沿った迅速な審理と一日も早い判決を要請しました。つづいて安原幸彦弁護士も、「司法判断を軽視する厚生労働省の認定実務を明快に裁いてほしい」と陳述しました。
 本人尋問では、山﨑恵美子さんが、広島・西観音町にいた叔母と従妹の安否を求めて8日に西条市から入市し被爆者の救護に当たったこと、このあと肺結核になり片肺を全摘、C型肝炎にもなって慢性肝炎で苦しんでいる生活を陳述しました。つづいて神戸美和子さん(町田市在住)が、広島・東雲町で被爆し、ガラスの破片を大量に浴び、3週間後に脱毛や紫斑があったこと、1992(平成4)年から甲状腺機能亢進症で苦しんでいると証言しました。厚生労働省側は、縁側でカルタ遊びをしていたという神戸さんに、幼稚な質問を執拗にくり返し、傍聴者の失笑をかっていました。
 次回の本人尋問は、8月30日午後1時から、石田順子、頼金昭子、中山鈴子の各氏に対して行われる予定です。

第3次訴訟の原告の申請病名と被爆状況(敬称略)
原告氏名申請病名被爆状況
頼金 昭子肺ガン広島入市 8月16日
中山 鈴子急性心筋梗塞長崎直爆 4.1キロメートル
井上 浄前立腺ガン広島入市 8月20日
栗原 澄子陳旧性心筋梗塞長崎直爆 2.4キロメートル
高島 能仁陳旧性心筋梗塞広島直爆 2.0キロメートル
山崎 恵美子肝機能障害(C型)広島入市 8月8日
森 繁喜脳梗塞長崎直爆 5.4キロメートル
神戸 美和子状腺機能亢進症広島直爆 4.0キロメートル
小林 サツキ脳梗塞長崎直爆 2.4キロメートル
畑谷 由江脳梗塞後遺症・狭心症広島直爆 1.5キロメートル
石田 順子狭心症広島直爆 2.0キロメートル
濱本 和子脳梗塞広島入市 8月9日
田村 正夫胸部大動脈瘤長崎直爆 2.3キロメートル
宮田 知都子脳梗塞広島直爆 2.2キロメートル
佐々木 正己悪性リンパ腫長崎入市 8月18日
塩田 喜久雄脳梗塞長崎直爆 3.5キロメートル

注:ここに紹介したのは、第3次の原告24人のうち、まだ認定されていない16人の原告のみなさんです。