原爆症認定集団訴訟 東京第1次訴訟 最高裁で棄却
敗訴原告の要石さんが決意 「原爆の惨禍をくり返させないためにがんばる」
東京の原爆症認定集団訴訟の原告・要石謙次さんが、1審、2審の敗訴判決に納得できないとして上告していた訴訟で、最高裁は2010年2月19日、この訴えは憲法違反の事例にあたらないとして棄却する決定を下しました。
要石さんは、軍隊除隊後、被爆12日目に広島駅の地下道で、帰郷の列車待ちをして残留放射線で被曝しました。胃ガンを発症したため原爆症認定を申請していました。
日本被団協は、「被爆者のガンはすべて原爆症と認定せよ」と主張していますが、最高裁の決定はこれに対立するものであり、今後にきびしい前例となりました。
原告・要石さんの談話
自分の病気(胃がん)が原爆のせいだと認めて貰いたかったのですが、最高裁判所でも認めて貰えず、とても、残念です。お金のためにではなく、戦後の症状、不安、現在もかかっている胃がん以外の病気のこと(胆石や胸水等)を考えると、胃がんは原爆のせいだという気持が強くあります。
私が原告になったのは、あのとき、広島でみた悲惨な状況が忘れられず、今まで生き残った者の責任として、あのようなことがどこの国でも二度と起こってはならないと考えたからです。今回の集団訴訟がそのことに少しでも役立てばと思っています。今後とも、私と同様に負けた原告とも手を組んで原爆、核兵器のない世界のために訴えたいと思います。