原爆症認定集団訴訟の終結についての「確認書」に調印
進行中の裁判は一審判決まで続く
集団訴訟の成果を全被爆者に反映できる「協議」へ
2009年8月6日の広島市平和祈念式典の直後、広島で原爆症認定集団訴訟についての「確認書」が、日本被団協代表と麻生太郎総理大臣との間で交わされました。これを受けて首相官邸では、河村官房長官が「談話」を発表。これらは集団訴訟の一括解決と原告全員の救済への政府の決断と、裁判長期化への陳謝、核兵器廃絶についての政府見解を盛り込んだ文書です。
一方、日本被団協と全国原告団、全国弁護団は共同で、この決断と見解を歓迎する「声明」を発表。ここまで政府を追い込んだ広範な国民の支援に感謝し、「確認書」で示された「道筋」にしたがって、残された課題の全面解決に力をつくす決意を明らかにしました。
東京では第2次訴訟の12人が11月に結審し、来春に判決が予定されます。今秋から審理がはじまる第3次訴訟の16人をふくめ認定されていない原告を1人でも多く勝訴させること、これらの原告の条件を今後の厚生労働省との「協議」の場で認定基準にさせることが、集団訴訟の成果を全被爆者に広げていくうえで重要な課題になります。
原爆症認定集団訴訟「確認書」についての報告・お礼・お願い
原告団長 山本英典
8月6日朝、広島で、原爆症認定集団訴訟についての「確認書」が、日本被団協の代表と麻生総理との間で取り交わされました。
これらの経過と資料は別記事で詳しく紹介されていますが、私は全国原告団長としてこの確認書交換の場に立ち会い、集団訴訟を提起した原告のみなさんの勇気ある行動に感謝し、亡くなった68人の原告とともに、この解決の日を喜び合いたかったと思い、記者会見でもそう発言しました。
これまで原告を支えてくださった多くの被爆者仲間、支援者のみなさん、そして弁護団にあらためてお礼申し上げます。
現在進んでいる裁判は、「確認書」にもあるように一審判決が出るまでは続きます。引き続きご支援をお願いいたします。
集団訴訟の終結に目途が立ち、正直ほっとしています。しかし、「基金」がどうなるのか、滞留している7800人の認定審査をどうするか、決まっていません。「協議」を重ねながら、「核兵器をなくせ」「原爆被害に国家補償を」の願いを実現するためがんばります。