被爆者相談所および法人事務所
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原爆症認定集団訴訟 東京訴訟 キノコ雲の下で何が起こったか

スライド使い原爆被害を説明

 集団訴訟の第7回口頭弁論が、2004年10月6日午後、東京地裁103号法廷で開かれました。この日は、弁護団がパソコンで作成したスライド映像で、被爆の実相を裁判官に見てもらおうとする弁論がおこなわれました。「キノコ雲の下で何が起こったか ――原告らの主張の整理・要約――」と題する映像です。
 「1.原告らの被爆地点」「2.巨大なキノコ雲と放射線の充満」「3.急性症状の出現」「4.原因確率論の誤り」という4つの柱で構成。広島・長崎の地図に、爆心地を中心にした距離ごとの円が描かれ、この円を東京に当てはめるとどうなるかなどが、くっきりと描き出されます。原爆爆発とともに広がったキノコ雲は、全市を覆い、その下で焼かれ、つぶされ、放射線を浴び、殺された人、傷だらけになった人が10数万人、黒い雨、黒いススが降り注いで人体構造を破壊した経過が描かれます。原爆症認定基準に使われている「原因確率」の誤りも、図で示されます。約32分間、電灯の明かりを落として暗くなった法廷は、映像と説明の声が響くだけでした。
 閉廷後、参加者は、「ことばだけではよく分からなかったが、映像を見てよく分かった」「学校や職場でも使いたい」「目からウロコだ」など、感動の声を交わしていました。
 この日は、開廷前に被爆者と支援の傍聴者100人が厚生労働省前に集まり、「原爆症認定裁判の原告を原爆症と認めよ」「認定基準を抜本的に改めよ」と、約30分間、力強く宣伝行動をしました。
 次回は、11月24日午後1時半から4時まで。いよいよ証人調べにはいります。

厚生労働省前の歩道に並んで立つ原告はじめ被爆者と支援者らが、厚労省のほうを向いて黙祷している。
裁判の前に厚生労働省前で死没者への黙祷を捧げる原告
外部被曝の模式図。放射線の種類とその飛距離、人体を貫通するかどうかなどを示している。
法廷ではパソコンを使って被爆の実態を説明

神奈川で初提訴 7人がいっせいに

 神奈川で原爆症認定を求める集団提訴がおこなわれました。9月30日、7人の原告を激励する集会が横浜弁護士会館で開かれ、110人が参加。拍手のなかで訴状を横浜地裁に提出しました。全国の提訴者(原告)は、17都道府県で161人となり、12地方裁判所で裁判がおこなわれることになりました。