被爆者相談所および法人事務所
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医療特別手当を継続できない被爆者増える 国が基準を厳しく

 医療特別手当(毎月13万5130円:2014年5月現在)の更新手続き(3年に1度)の審査基準が2014年4月から見直され、「要医療性」の基準が厳しくなりました。東京では、今回更新にあたる被爆者の3分の1程度が、医療特別手当の受給ができなくなり、特別手当(毎月4万9900円:2014年5月現在)にかわることがわかりました。

更新手続きが始まったが

 4月7日、東京都が医療特別手当の更新に必要な「健康状況届」を、対象になる被爆者139人に郵送しました。2014年に対象になる都内在住の被爆者のうち、東友会が手伝って原爆症認定を申請した被爆者は107人。東友会はこの全員に、お知らせや返信用の封筒を送り、医療特別手当の継続のための申請の援助をしています。
 東友会は5月19日までに88人の「健康状況届」を東京都に提出しましたが、うちの29人が医療特別手当から特別手当に切り替えになると思われます。

医療特別手当の更新で、健康状況届の書類作成にあたり、東友会に相談が寄せられている書類の束。

治療の継続が焦点に

 3月20日に東京都などに送られた厚生労働省健康局長の通知によると、原爆症と認定された病気の経過観察を受けていても、具体的な治療をおこなっていない場合、医療特別手当の継続がたいへんに難しくなりました。
 たとえば、肺がんや胃がんなどは、治療が終わった後の経過観察がつづいている場合でも、手術から5年以上がすぎていて再発していない場合は、「要医療性」がないとされます。乳がん、腎臓がん、膀胱がんや前立腺がんなど尿路系といわれるがん、甲状腺がん、肝臓がんは、この期間がほぼ2010年とされています。白内障は、手術をした後半年とされています。心筋梗塞や慢性肝炎は生涯治療が必要ですが、甲状腺機能低下症も症状が安定してホルモン剤が必要でなくなった場合は、「要医療性」がないと判断されます。

国は診断書の書式を変更

 このことについて厚労省は、「要医療性の範囲の明確化や要医療性の有無を客観的に確認すめため」診断書の書式を変更したと述べています。
 一方で、がんで胃の下部を切除したために、「逆流性食道炎」がおき、定期的に受診して治療を受けている被爆者は手術後24年が過ぎていても医療特別手当を継続できると思われます。
 現在、東京では6%を超える被爆者が医療特別手当を受給していますが、今後は継続できず特別手当受給者となる人が大幅に増え、医療特別手当受給者数は横ばいか減少していくと思われます。