被爆者相談所および法人事務所
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厚労省 原爆症認定制度「検討会」 厚労省の意向で推移する議論

 2010年12月から続いている厚生労働省の「原爆症認定制度の在り方に関する検討会」の第18回会合が2012年12月18日、厚労省で開かれ、東友会から21人が傍聴しました。検討会の目的が、厚労省の原爆症認定審査と裁判所の判決がかけ離れていることを解決させることであることから、被爆者側は被爆者全員に「被爆者手当」を支給し、病状に応じて加算する新制度を提案してきました。
 委員のひとり日本被団協の田中煕巳事務局長が再三、制度の基本問題での検討を要望したにもかかわらず、今回の検討会も、裁判の判決を生かした認定制度の討議はなく、認定された後に受ける手当についての議論に終始しました。
 この日、厚労省事務局は、これまでの医療特別手当を4つに分類する案を提案しました。内容は、生命と日常生活への影響、治癒と再発の可能性から4つのグループに分類。肺ガンと白血病、早期を除く各種のガンについては第1グループ、早期のガンと心筋梗塞、慢性肝炎・肝硬変は第2グループ、甲状腺機能低下症と副甲状腺機能亢進症を第3グループ、白内障を第4グループとしたイメージを提出しました。これに対して、田中事務局長も、加算を判断する基準としては、事務局の提案を評価しました。
 原爆症認定集団訴訟全国弁護団連絡会の事務局長として、この問題に深く関わってきた宮原哲朗弁護士は、「このままでは、ランク付けだけがされ、制度全体の水準が落とされる危険性が強い。被爆者の願いを世論に訴えることが重要だ」と話しています。

長方形に並べられた机に着席し議論する委員たち。会場にはテレビカメラも。
検討会に臨む委員たち