被爆者相談所および法人事務所
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原爆症認定審査 厚労省自らが決めた「積極認定」の範囲で却下

 世田谷区に住むWさん(82歳)は2009年7月、腎臓ガンで原爆症の認定申請をしましたが却下されました。Wさんはサンフランシスコ生まれの日系二世。日米開戦後に帰国。英語が堪能なため、当時は東京で米国の通信の解読をしていました。
 広島の被害を知って広島市天満町の自宅跡に戻ったのは8月11日朝。その後、爆心地から1.5キロから2キロの小河内(現在の広島市西区小河内町)に寝泊まりしながら、行方不明となった家族の捜索と自宅の後片付けを続けました。
 Wさんの被爆状況は、厚労省の「新しい審査の方針」で「積極認定」とされる被爆条件の一つ「原爆投下より約100時間経過後から、原爆投下より約2週間以内の期間に、爆心地から約2キロメートル以内の地点に1週間程度以上滞在した者」にあたり、申請病名の腎臓ガンも疾病条件に合い認定申請は認められる事例です。さらにWさんは1992年に甲状腺ガン、1996年に大腸ガンの治療を受け、今回の腎臓ガンが3回目のガン発症という病状です。2010年11月はじめに申請の却下を知ったWさんは、却下処分に対する異議申立を出す準備をはじめています。