原爆症認定集団訴訟 「5月決着」へ熱い行動
2つの高裁判決で「待ったなし」 政治決着で認定訴訟の全面解決を
理なき上訴のくり返しはもうごめん
原爆症認定を求める裁判を起こして6年。16の裁判所が繰り返し、原爆症認定基準の誤りを指摘しているのに、裁判で争いつづける厚生労働省の非人道的な姿勢に決着をつけようと東友会は、2009年5月15日の近畿訴訟・大阪高裁判決と、5月28日の東京訴訟・東京高裁判決への行動に参加を訴えています。
大阪高裁判決の対象者は11人。うち6人は認定ずみで、5人の疾病をどう判断するかが焦点です。1人は体内に異物残留。3人は肝機能障害。1人は心筋梗塞・脳梗塞後遺症。肝機能障害の1人は、起因性はあるが要医療性がないとして1審敗訴になっています。
東京高裁判決の対象者は30人。このうち20人は認定されています。残り10人の疾病は、甲状腺機能低下症2人、前立腺ガン2人、有痛性瘢痕1人、肝機能障害2人、大腸ガン1人、胃ガン1人、食道ガン1人。未認定者の申請却下理由は、積極認定の疾病に該当しないとか、被爆距離が遠いとか、入市日が遅いなどです。これらの疾病、認定条件のほとんどは厚生労働省の「新しい審査の方針」を超えるものであり、高裁判決が確定すれば、今後の審査方針を大きく変えることにつながります。また、両高裁とも全原告について残っている国家賠償請求についての判断も注目されます。
パンフ広げ、連日の座り込みも
東友会は、原告団、弁護団、おりづるネットなど支援諸団体とともに、「5月決戦」と位置づけて、総力を挙げて、高裁判決の勝利と、判決を機にすべての集団訴訟の一挙解決をめざす運動に取り組んでいます。4月13日からは中央団体と都段階の諸団体への要請活動が続いています。
この要請で、原爆症認定裁判の現況を知らせるQ&Aのパンフレットが1万5000冊活用され、署名が訴えられています。大阪高裁の判決日、5月15日からは連日厚生労働省前での「上告するな」運動が続けられます。厚生労働省前の日比谷公園にテントを張っての座り込みも始まります。国会に向けての請願行進も行われます。政府、政党、国会への要請行動が続きます。