被爆者相談所および法人事務所
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原爆症認定審査「新方針」の1年 「積極認定」活かされず

白内障・心筋梗塞で圧倒的に少ない認定件数

 厚生労働省が「新しい審査の方針」を導入して1年。同省が公開している原爆症認定審査の状況を集計すると、2008年4月から2009年3月末までに3290件の原爆症認定審査をおこない、認定2969件、却下62件、保留262件となっていることがわかりました。新聞報道による審査滞留数(申請は届いているが、まだ審査にかかっていないもの)は約7800件ですから、この1年で1万件を超える申請が出されたと思われます。
 特徴的なのは、「積極認定」の範囲でありながら、白内障と心筋梗塞の認定件数が圧倒的に少ないこと。白内障と心筋梗塞の審査をしている第4審査部会の9回の審査内容を見ると、白内障は認定が17件に対し保留されたものが49件、心筋梗塞は認定が27件、保留は7件です。保留率で見ると、消化器系以外のガンの審査をしている第1審査部会が出した保留4%と比較して、心筋梗塞は20%、白内障は74%となっています。
 却下の内容は病名別に分類されていないため詳細は不明ですが、東友会で扱った事例から見て原爆投下後数日以降の入市や5キロ以上の遠距離被爆者のガンなどが却下されていると思われます。厚労省が医療分科会などで書式にして発表するのは認定件数のみ。保留理由や滞留件数とその内訳などの詳細は公表されていません。
 集団訴訟の全面解決をめざして展開される大運動では、肝機能障害、甲状腺機能低下症を「積極認定」に入れること、心筋梗塞と白内障を「積極認定」の言葉通り認定すること、審査の迅速化を求めています。

表1 厚労省による審査の件数
認定区分 認定件数 保留件数 却下件数
自動認定:「原因確率」10%以上であるため厚生労働省健康局が認定 272    
積極認定:2008年4月以降の「新方針」によって4つの審査部会が認定 2530 209  
総合審査:「自動認定」、「積極認定」で認められず医療分科会が認定 167 53 62
合計 2969 262 62

年度末の滞留分(審査にかかっていないもの)は約7,800件(マスコミ報道による)

表2 厚労省による審査のうち、「積極認定」の申請病名別うちわけ
申請病名 認定件数 保留件数
胃ガン、大腸ガン、肝臓ガンなどおもに消化器系のガン 1229 84
乳ガン、前立腺ガン、皮膚ガンなどおもに消化器系以外のガン 1018 39
白血病、悪性リンパ腫 233 23
放射線起因性が認められる心筋梗塞 27 7
放射線白内障 17 49
副甲状腺放射線白内障機能亢進症 3 5
その他 3 2
合計 2530 209

認定、保留、却下の各件数は、厚生労働省の個々の発表資料を東友会で集計したものです。認定件数には集団訴訟原告を含みます。

表3 東京都受け付けの認定申請審査状況
区分 件数(うち東友会対応) 東友会対応の割合
申請受付数 173(109) 63.0%
認定件数 135(128) 94.8%
却下件数 1(1) 100.0%
年度末の滞留件数
2007年以前のものを含めた累積、未認定原告40人は含まず。)
184(133) 61.4%