2008年夏 核兵器廃絶や原爆症認定で前向きな動き
政府動かす力を草の根から育てよう
例年にない暑さがつづいた2008年の夏。「核兵器廃絶」のたたかいと「原爆症認定制度」で新しい前向きな動きがありました。
核兵器廃絶への具体的な行動提起
被爆地・広島で開かれた「平和記念式典」で、秋葉忠利広島市長は、「被爆者の心身を今なおさいなむ原爆の影響は、永年にわたり過小評価されてきた」として、原爆による心の傷を、2年間かけて実態調査をすると表明。続けて「核兵器は廃絶されることだけに意味がある」とのべ、核拡散防止条約(NPT)を補完する「ヒロシマ・ナガサキ議定書」採択のために各国政府への働きかけを、日本政府が努力するよう要求しました。
長崎の田上富久市長は、「平和市長会議」参加都市が2300都市に広がっていることを踏まえて、「平和市長会議」の総会を、2009年長崎で開き、2010年のNPT再検討会議に向けて核兵器廃絶へのアピール活動を展開すると宣言しました。
「原爆の日」にあわせて開かれた原水爆禁止2008年世界大会では、NPT再検討会議に向けた世界的な共同行動のキャンペーンの1つとして、「核兵器のない世界を」と呼びかける新しい署名の開始を宣言しました。
原爆症認定の改善 福田首相が発言
平和祈念式典に参列した福田康夫首相は、原爆症認定問題で、広島では「原爆症認定の対処の遅れは政府の責任」と認め、そのうえで、「行政と司法の乖離(かいり)を埋めるため、審査会の委員に司法関係者を増員し、納得が得られる作業をしたい」と述べました。長崎では「認定制度については、被爆者の意見を聞きながら、改善の余地がないか厚生労働大臣に指示した」と述べました。
この福田首相発言は、2007年の安倍晋三首相(当時)の「認定制度の見直し」発言ほど劇的ではありませんが、「改善」への言及は重要発言であり、今後詰めていく課題となりました。
これらの動きをより確かなものに
核兵器廃絶への動きを敏感に反映して、朝日新聞は8月6日付けで大型社説を掲載し「核廃絶は夢物語ではない」と論じ、毎日新聞も6日付けで「世界は核廃絶の頂を目指せ」と社説を掲載しました。
「核兵器なくせ」「原爆被害への補償を」の世論を確かなものにするため、草の根の運動を広めましょう。