原爆症認定集団訴訟 東京第1次訴訟控訴審 「急性症状」で対決
被爆者側の医師は「ある」、国側の医師は「ない」
原爆症認定集団訴訟・第1次訴訟(原告30人)の第3回口頭弁論が2008年3月27日、東京高裁でひらかれました。被爆者側と政府側の双方が立てた証人について、それぞれが尋問。
被爆者側の証人は、東訴訟でC型肝炎を原爆症と認めさせた齋藤紀医師(広島・福島生協病院院長)。齋藤医師は、被爆者の急性症状について証言した後、肝機能障害と放射線被曝が無関係だという政府側が出した専門家の意見書を徹底的に論破。東裁判での証言をさらに深めて、肝機能障害と放射線との関連が示唆されると証明しました。
政府側証人は放射線医学総合研究所の明石真言医師。放射線医学に関する専門研究機関である放医研の医師として、東海村JCO臨界事故の被害者を治療した経験から、被爆者側が主張してきた脱毛、下痢などの原告の急性症状を次々に否定しました。
裁判官の指示でマイクが使われなかったため、政府側代理人と明石証人とのやりとりは傍聴者にほとんど聞こえませんでしたが、報告集会でその内容が伝えられると、会場は怒りの渦。数値で人間への被害を隠そうとする政府側の証言を次の反対尋問では徹底的にたたいてほしいという声が出されました。