? 原爆症認定集団訴訟 被爆者の要求への支持広がる 「東友」の記事から
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原爆症認定集団訴訟 被爆者の要求への支持広がる

司法、国会議員・政党、自治体で

 原爆症認定問題で、これまでにみられなかった動きが、司法と政治に出てきています。しかもそれは、東友会のとりくみがきっかけになっているところに特徴があります。

司法は一貫して厚労省の姿勢を批判

 司法の動きはこれまでもたびたび報道されてきました。2006年5月12日の大阪地裁判決で、原爆症認定を求めていた被爆者原告9人全員が勝訴したこと。8月4日には広島地裁で41人全員が勝利。2007年1月30日には、名古屋地裁が2人に勝訴、2人を敗訴。3月20には仙台地裁で2人全員勝訴。3月22日には東京地裁で21人勝訴、9人敗訴となったことです。
 共通した特徴は、厚生労働省が原爆症認定に使っている「審査の方針」では、被爆の実態を説明できないとして、この方針の限界と誤りを5たび断罪したことです。
 原爆症認定裁判の判決は、15地方裁判所、5高等裁判所で続きます。どの判決でも、厚生労働省の「審査の方針」が認められる可能性はほとんどないと見られています。しかし厚労省は控訴をつづけています。まるで被爆者が死に絶えるのを待っているかのようです。

国会議員への働きかけが弾みに

 もう一つの特徴は、政治の動きです。裁判所での厚生労働省の相次ぐ敗訴をみて、「行政には解決能力なし」「国会が動かなければ解決しない」という声が国会議員の間に生まれてきました。このとき、「原爆症認定制度を、抜本的に改めることについての賛同署名」という「署名」を国会議員に呼びかけはじめたのが東友会だったのです。
 「原爆被害が、熱線、爆風、放射線による広範囲かつ長期におよぶ複合的被害であり、医学的にも未解明の被害であることをふまえた認定行政に改めることに賛同します」全文120字程度の短い文書ですが、この「賛同署名」要請行動を、東友会は2006年7月25日から始めました。
 一番手は、民主党の加藤公一衆院議員でした。2006年7月25日午前9時半、西武線久米川駅近くの事務所を訪ねるため、地元・東久留米の田丸正夫会長、東大和の河野次男会長、武蔵村山の林田康二会長、国分寺の西野稔会長、原告団の山本英典団長、村田未知子事務局主任、弁護団の中川重徳、杉尾健太郎両弁護士が集まりました。
 加藤議員は「数値だけで判定するのはおかしい。マスコミの協力を得て、大きな世論づくりをすることが肝要。そのために私もがんばる」と述べて、快く賛同署名にペンを走らせました。
 2番手は自民党の井上信治衆院議員でした。JR青梅線小作駅からほど近い事務所を7月25日、西多摩南の木谷聖三会長と塚原貢事務局長、青梅市の長橋博也事務局長、弁護団から与那嶺慧理弁護士、そして山本原告団長、村田主任が、そろって訪問しました。
 井上議員は「原爆症認定は基本的に幅広く救済すべきと考える。高齢で亡くなる方が多いので努力したい」とのべ、わずか15分の面会時間でしたが、署名し、捺印をしました。
 2007年の6月7日の日本被団協中央行動の日に、葛飾の友谷幾会長、長岡和幸事務局長ら5人は、多忙な平沢勝栄衆院議員を5時間も衆院議員会館前で待ち続け、署名をいただくという粘り強い行動がありました。
 賛同署名要請行動に参加した地区の会は、のべ49、参加した地区の会役員は106人に達しました。要請行動には、東京弁護団の弁護士ものべ30人が参加。東友会からは村田主任がほとんどの要請に参加。原告団からも山本団長はじめのべ10人が参加しました。
 こうした懸命の要請行動があって、2007年6月15日までに、東京選出国会議員50人のうち、自民14、民主10、公明5、共産2、社民1の合計32議員から賛同署名をいただきました。全国的には234人。内訳は自民68、民主107、公明22、共産18、社民10、国民新7、無所属2となりました。

署名に応じた東京選出の国会議員
(敬称略・順不同 2007年6月15日現在)
氏名議院会派選挙区
平 将明衆院自民党東京4区
松本 文明衆院自民党東京7区
菅原 一秀衆院自民党東京9区
太田 昭宏衆院公明党東京12区
平沢 勝栄衆院自民党東京17区
菅 直人衆院民主党東京18区
松本 洋平衆院自民党東京19区
木原 誠二衆院自民党東京20区
小川 友一衆院自民党東京21区
伊藤 達也衆院自民党東京22区
伊藤 公介衆院自民党東京23区
萩生田 光一衆院自民党東京24区
井上 信治衆院自民党東京25区
清水 清一朗衆院自民党東京比例
土屋 正忠衆院自民党東京比例18区重複
加藤 公一衆院民主党東京比例20区重複
小宮山 洋子衆院民主党東京比例6区重複
末松 義規衆院民主党東京比例19区重複
長島 昭久衆院民主党東京比例22区重複
長妻 昭衆院民主党東京比例7区重複
松原 仁衆院民主党東京比例3区重複
高木 美智代衆院公明党東京比例
高木 陽介衆院公明党東京比例
笠井 亮衆院共産党東京比例
保坂 展人衆院社民党東京比例
緒方 靖夫参院共産党東京2001年選挙
山口 那津男参院公明党東京2001年選挙
鈴木 寛参院民主党東京2001年選挙
澤 雄二参院公明党東京2004年選挙
中川 雅治参院自民党東京2004年選挙
小川 敏夫参院民主党東京2004年選挙
蓮舫参院民主党東京2004年選挙

各政党が原爆症認定問題で動き出す

 賛同署名の広がりとともに、政治が動き出しました。
自民党は2006年12月、寺田稔衆院議員(広島5区)が発起人になって、「原爆症認定を早期に実現する議員懇談会」を立ち上げました。発起人9人のうち7人が、東友会が要請してサインした国会議員でした。議員懇談会は、2007年5月に自民党政調会の正式機関となり、「原爆被爆者対策に関する小委員会」(戸井田徹委員長)として発足。6月11日には委員6人が広島現地調査に出向き、記者会見で「2008年度予算編成に乗せられるようにしたい」とのべ、早期解決に意欲を見せました。
 民主党は、2006年7月に「被爆者問題議員懇談会」を30人の議員で立ち上げました。その後、原爆症問題は党の課題とするということになり、2007年6月20日には衆参両院の厚生労働委員が参加して日本被団協からヒアリング。公明党、共産党、社民党、国民新党も、それぞれ被爆者対策の一環として、原爆症認定問題の解決に当たっています。
 7月30日に熊本地裁が21人の原告に判決を言い渡します。年内には長崎地裁の判決も予定されています。
 原爆症認定制度の抜本的改善を実現させるため、司法・立法・行政に迫る草の根の世論を高める運動が、今あらためて求められます。

平沢勝栄議員
自民党・平沢議員との懇談
末松義規議員
民主党・末松議員との懇談
澤雄二議員
公明党・澤議員との懇談
緒方靖夫議員
共産党・緒方議員との懇談
保坂展人議員
社民党・保坂議員との懇談