原爆症認定求める集団訴訟いよいよ東京地裁でスタート
東京で17人提訴、全国で74人に ガン、肝硬変の病身おして手に手に訴状
2003年5月27日午後1時、17人の被爆者が東京地裁に原爆症の認定を求めて集団提訴をおこないました。提訴には、ガンや肝硬変という重病とたたかう身体をおして13人の原告と、入院中の原告に代わって妻が参加。高見澤昭治東京弁護団長など13人の弁護士と東友会の飯田マリ子副会長などに付き添われて訴状を提出した後、弁護士開館で記者会見を行いました。
この日、東京地裁以外に千葉地裁に1人、大阪地裁に3人が提訴。6月12日の第3陣は広島地裁に28人、長崎地裁に12人、熊本地裁に6人が提訴し、第1陣の札幌3人、名古屋1人、長崎3人を併せて8地裁に74人の被爆者が集団提訴をおこないました。
原告予定者が死去 福地さんが原告に
提訴を予定していた高橋啓介さんが、提訴の5日前、5月22日に膵臓ガンのため亡くなりました。その後、新しく申請を却下された福地義直さんが原告にくわわり、東京の原告団は17人になりました。
150人参加で「提訴のつどい」
原告団と弁護団は記者会見の後、参加者が待つ「原爆症認定集団訴訟の勝利をめざす東京のつどい」に移動。青年から手渡されたヒマワリの花を手に原告たちが会場に入場すると、150人の参加者から熱い拍手がわき上がりました。
原告を出迎えた東京地婦連の田中里子さんは「裁判によってもあらためて原爆被害の深刻さがわかった。全面的に支援したい」と、東友会の米田チヨノ副会長が「一昨日の総会で17人の原告を代表としてたたかうことを決議した」とあいさつ。
高見澤弁護団長が提訴と記者会見のようすを報告した後、加藤力男原告団長は「被爆から58年間つづく苦しみを国に認めさせたい。命ある限りたたかう」と発言。発言のために立ち上がったものの感動のため声を詰まらせた原告には会場から涙をぬぐいながらの激励の拍手が寄せられ、被爆当時の様子を描いた自作の絵をかかげて「あの被害を明らかにさせたい」と言う竹内勇さんと「みなさんのことを病院に行って夫に伝えます」とのべた大塚靖博さんの妻にも大きな拍手が贈られました。
最後に弁護団事務局次長の杉尾健太郎弁護士が「訴状」の内容を説明。参加者と原告の心が結ばれた感動的な集会となりました。