原爆症認定集団訴訟 東京第2次訴訟が結審
原告2人が思い込め最終陳述 国側は「原爆症認定は狭くてよい」とくり返し
東京の第2次原爆症認定集団訴訟が2009年11月19日に結審しました。この日、東京地裁103号法廷には、原告とその家族、都内の被爆者、支援者、弁護団など100人がかけつけました。2010年3月から5月ごろ判決が言い渡される予定です。
原告側からは、あまりの悲惨な光景に入市経路などの記憶を失ったため「積極認定」の範囲にありながら前立腺ガンを認定されていない小西悟さんが「私の記憶喪失を逆用して、『被爆していない』という厚生労働省の被爆者切り捨て、原爆被害を小さく見せようとする姿勢を断じて許すことができない」と陳述。甲状腺機能亢進症で申請している新宿区の吉濱幸子さんも「死ぬまで被爆者であるという負い目を持って生きていくしかありません」と、戦後の病状や不安を静かに語り、傍聴者を感動させました。
弁護団からは高見澤昭治団長、中川重徳事務局長と若手の森孝博弁護士が、原告の疾病と放射線の因果関係、審査基準改訂後もつづく政府側の矛盾した姿勢を糾弾しました。
政府側は、自らが持っている放射線被害の研究データを明らかにしないまま、被爆者は医療費の自己負担が撤廃され、健康管理手当をほとんどが受けていることなど、原爆症認定以外に手厚い援護の措置がとられているので原爆症認定は狭くてもよい、という主張をくり返しました。
東京第2次訴訟の原告は28人ですが、16人は「新しい審査の方針」で認定され、来春判決が言い渡されるのは12人です。