被爆者相談所および法人事務所
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原爆症認定集団訴訟 原告全員救済の議員立法成立へ

 原爆症認定集団訴訟の原告全員を救済する議員立法が、開催中の臨時国会で成立する運びになりました。
 これは2009年8月6日、広島で日本被団協と首相・自民党総裁が交わした「原爆症認定集団訴訟の終結に関する基本方針に係る確認書」に明記されていたもの。集団訴訟を早期に解決するために、係争中の原告は1審の判決で確定させ、国側も原告側も控訴しないことにし、敗訴した原告への救済は議員立法により基金を設けて活用することが明記されていました。
 2009年11月17日の院内集会で舛添要一参院議員(前・厚生労働大臣)が自民党と公明党の議員が作成した「基金」の概略を説明。その後、原告団と弁護団の代表と自民・公明両党の代表が協議して法案の内容が固まりました。
 「基金」の内容は、政府が3億円を拠出し、法人格のある第三者機関が、一定の基準で敗訴した原告に分配するというものです。
 東京の集団訴訟は、第1次分の判決は出ましたが、まだ地裁・最高裁で係争中の原告もあり、他県では11月30日に福岡高裁と横浜地裁で判決が言い渡されます。これらの判決を含め、全原告への対処をふまえた議員立法の早期成立が求められていました。
 このため東友会は10月22日の国会議員要請に参加。全国の被爆者・弁護団とともに議員に働きかけた結果、10月30日の参院代表質問で公明党の山口那津男代表がこの問題を取り上げ、11月6日の参議院予算委員会でも舛添参院議員が、この臨時国会に法案を提出することを明言していました。

並べられた机の席を埋める参加者たち。それぞれ手元の資料を見るなどしながら話を聞いている。
与野党議員が多数参加した院内集会
発言する舛添議員
自民党の舛添議員・前厚労相も参加
あいさつする川田議員
無所属の川田龍平議員もあいさつ

「訴訟の全面解決は東京から」 東友会が集中的に国会議員要請

 全国最大82人の原告団を支え、最高裁上告中1人と地裁で係争中でまだ認定されていない原告27人全員の勝利をめざしている東友会は、「訴訟の全面解決は東京から」と、2009年11月7日から東京選出の衆参両院議員51人全員にファックスと電話で面談を要請。11月10日から17日までの面談には東友会からのべ92人が参加して14人の衆参両院議員、2人の議員の政策秘書と面談。「政府の核兵器の被害を隠す姿勢に対決して、名前や顔だけでなく人生までさらして、被害の実相を知らせ続けてきた原告を全員救済してほしい」と訴え、この法案の成立にも全力でとりくみました。

11月に東友会と面談した東京選出の国会議員(敬称略・順不同)

衆院10人
  • 民主党:青木愛、櫛渕万里、小宮山洋子、手塚仁雄、中山義活、初鹿明博、平山泰朗、山花郁夫
  • 自民党:平沢勝栄
  • 共産党:笠井亮
参院4人
  • 民主党:小川敏夫、大河原雅子
  • 公明党:澤雄二、山口那津男

 この他に、阿久津幸彦議員(民主)、高木陽介議員(公明)の政策秘書が面談。
 17日の院内集会には、東京選出の議員では、初鹿議員と笠井議員、および川田龍平参院議員(無所属)が参加しました。

初鹿議員と、議員を囲む要請参加者が立っている。参加者は議員の手の上に手を重ねている。
初鹿議員(民主)と面談
長円形の机に着席し話し合う議員らと要請参加者。
山口議員(公明)と面談
長方形の机を囲んで椅子に座り話し合う議員と要請参加者。
笠井議員(共産)と面談