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原爆症認定集団訴訟 東京第2次訴訟 原爆放射線の影響を克明に解説

聞間ききま証人、 国側の暴言にも冷静に証言

 原爆症認定・東京第2次集団訴訟の証人尋問が2009年7月7日に東京地裁103号法廷で開かれ、90人が傍聴しました。証人となった聞間ききまはじめ医師は、午前10時から午後4時半まで長時間の尋問に対応しました。
 午前中は被爆者側代理人が、第2次原告13人の申請病名とその医学的知見などを中心に尋問しました。聞間ききま医師は、心筋梗塞と狭心症は同じ機序で発症する病気であり、放射線影響研究所の調査で放射線によって起こる動脈内の炎症が原因であることが証明されていると明言。脳梗塞も同じ循環器系の病気であり、原因とされる高血圧は放射線との因果関係があると証言しました。甲状腺機能亢進症については、甲状腺が体の表面に近く、外部被曝の影響を受けやすいうえ、放射化したヨードによって内部被曝の影響が強いこと、チェルノブイリ原発事故の被害者では低下症より亢進症の方が多いという報告があることを紹介しました。
 午後は政府側代理人が4人で入れ替わり尋問。「原告の下痢や脱毛は、衛生状態、精神的ストレス、栄養不良と考えるのが妥当ではないか」「ブラブラ病と言われる倦怠感は、放射線ではなくPTSDが原因ではないか」という、これまでの裁判で否定され尽くした主張をくり返し、裁判官から注意されたり、傍聴席から失笑がもれる場面がたびたび。さらに聞間ききま医師が「集団訴訟が核兵器廃絶につながる」という記述を雑誌などに発表していることを取り上げ、「政治的意見による偏った主張だ」と決めつける暴言までおこないました。これらの尋問に聞間ききま医師は冷静に対応し、政府側代理人を圧倒しました。
 第2次訴訟は、証人尋問はこれで終了し、10月14日の口頭弁論をへて11月19日に結審、来春判決の予定で審理がすすんでいます。

聞間ききまはじめ医師