被爆者相談所および法人事務所
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12・4折り鶴大行動 「国は原爆症認定制度を抜本的に改めよ」

全国の被爆者・支援者が厚労省を包囲

 大詰めにきた原爆症認定制度の抜本的解決を確かに実現しようと2007年12月4日、日本被団協、原爆症認定集団訴訟を支援する全国ネットワーク、全国弁護団は共催で「100万羽の折り鶴行動」を展開しました。
 行動の開始は、午前11時45分。日比谷公園霞門に集まった被爆者、支援者たちは、折り鶴を手に手に厚生労働省門前へ。中央に原告団。右に関東から東の人びと。隊列は伸びて農水省の門前へ。左は関東以西の人びと。隊列は家庭裁判所を超えて広がりました。北海道から沖縄までの参加者約500人。霞が関の労働組合ののぼりが林立しています。寄せられた折り鶴は約20万羽に達しました。
 正午。「厚労省は認定制度を抜本的に改めよ」とシュプレヒコールが上がりました。折り鶴が高々と掲げられ、手と手が結ばれました。参加者がリレートーク。被爆者が、原告が、弁護士が、自民、民主、共産の各党代表が、支援団体の代表が、思い思いに訴え、横井久美子さんが「にんげんをかえせ」と歌いました。
 「厚生労働省は裁判で6連敗。判決に従え」「控訴を取り下げろ」「被爆者を原爆症と認定せよ」「核兵器を使わせるな」――訴えと唱和、ビラまきで約1時間。折り鶴で厚生労働省を囲む行動は大成功でした。

横断幕を広げ、折り鶴を手に持って高く掲げる参加者たち。
被爆者、支援者たちが厚労省をとり囲んだ「折り鶴の輪行動」(厚労省前)。当日参加できない全国の人たちが心を込めて作った折り鶴もいっしょに輪の中に……。

厚労省の検討会に批判集中 院内集会に300人

 「折り鶴行動」につづき、院内集会「原爆症認定の在り方に関する検討会に物申す」。会場の衆院第1議員会館第1会議室は、300人もの参加者であふれ、床に座り込む状況に。第1テーマは「検討会はどこへ行こうとしているか」。日本被団協の田中熙巳事務局長と安原幸彦弁護士が、安倍前総理の指示とまるで違う状況になっている検討論議を厳しく批判。第2テーマ「あるべき検討会の答申内容は」では、参加者からの提言が相次ぎました。与党PTの寺田稔自民党衆院議員も同席。最後に「検討会にもの申す」決議を採択しました。

並べられた机に着席する参加者たち。
国会では院内集会も

願い込めた「折り鶴」とともに九段会館で大集会
原告・被爆者、支援者、弁護士、国会議員らが一堂に

 「100万羽の折り鶴で厚生労働省を取り囲む12・4行動」の締めくくりは九段会館での大集会。「原爆症認定集団訴訟に勝利し、核のない世界を求める夕べ」の看板がかかる舞台は20万羽の折り鶴で飾られ、2階席手すりは折り鶴のすだれとなりました。
 演壇右手には、この日までに集められた総理大臣と厚生労働大臣宛の署名30万人分が、うず高く積み上げられました。
 オープニングはATTのパフォーマンス。ATTとは「なたと もに たかいます」の頭文字だとか。
 笑いのなかで藤平とうへいのり日本被団協代表委員が開会あいさつ。政党からは、亀井静香・国民新党代表代行、寺田稔自民党代表、民主党・山田正彦ネクスト厚生労働大臣、共産党・小池晃被爆者問題対策委員長、保坂展人・平和市民委員会委員長があいさつに駆けつけました。
 講演は、安斎育郎・立命館大教授。ユーモアたっぷりに原爆症認定裁判の勝利の意義を説きました。ミニコンサートでは、ナターシャ・グジーさんが美しい声と演奏で魅了。
 原告の訴えでは、広島・玉本晴英さん、長崎・森内実さんが被爆体験と裁判状況を述べ、山本英典全国原告団長が裁判勝利のために財的支援を訴えました。この訴えに、600人の参会者から35万4000円のカンパがよせられました。
 支援者・若者からの訴え、宮原哲朗弁護士からの報告。横井久美子さんのギターに合わせて高校生平和のつどいの2人がアピールを読み上げ、満場の拍手のうちに閉会しました。
 全国からは、広島22人、熊本15人など原爆裁判勝利を目指す意気込みで参加者が。東友会からは、昼の行動から夜の集会まで、28地区のべ185人が参加。行動の成功を支えました。

座席を埋める参加者たち。
全国から集まった参加者
舞台上の演台で講演する安斎教授。
立命館大学の安斎育郎教授が記念講演
椅子に座り、弦楽器「バンドゥーラ」を抱えて演奏するナターシャ・グジーさん。
チェルノブイリ原発事故被害者 ナターシャ・グジーさんの演奏