被爆者相談所および法人事務所
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原爆症認定集団訴訟 東京訴訟 証人尋問と本人尋問

証人尋問
聞間ききま医師 放射線の影響否定する国の尋問を否定
濱谷教授 膨大な調査に基づき精神面の傷を証言

 原爆症認定集団訴訟第12回口頭弁論が2005年9月22日に東京地裁103号法廷で開かれました。
 被爆者や支援者100人以上が傍聴する法廷は、被爆者側証人の聞間ききまはじめ医師に対する国側の反対尋問からはじまりました。国側がこの弁論でねらったのは、遠距離・入市被爆者である原告たちの急性症状が、放射線被曝以外にも原因があることでした。聞間医師に、脱毛はストレスからも出るのではないか、原告たちの脱毛は放射線のせいではなく円形脱毛症ではなかったのか、下痢は、被爆直後の衛生状態の悪化からきたのではないかという尋問を執拗にくり返す国側代理人の発言に、傍聴席から失笑がもれる場面もありました。
 つづいて、被爆者側証人として、40年ちかく被爆者を研究している社会学者、濱谷正晴・一橋大学教授が証言に立ちました。濱谷教授は、日本被団協が1985年10月に実施した原爆被害者調査のデータから、原爆被害の特質、とくに精神面での被害について、克明な資料を用意して証言。急性症状のあった被爆者ほど、「生きる意欲の喪失」「遅れた原爆死」への恐怖にさいなまれながらも、核兵器廃絶と平和、家族に囲まれた生活を望んでいるという研究者らしい誠実な証言に、傍聴席の人びとは大きくうなづいていました。
 今回の口頭弁論の前には、小雨をついて厚生労働省前での要請行動がおこなわれ、法廷の後は報告集会が開かれました。

聞間ききまはじめ医師
濱谷正晴教授
厚生労働省前の歩道に立つ、たすきを掛けた原告・支援者ら。傘をさしている人もいる。一人がマイクを使って通行人に訴えている。
小雨のなか厚労省前で行動する原告・支援者ら

原告本人尋問 家族にも被爆を話せず… 要石さん、大森さん

 2005年10月3日、東京地裁606号法廷で開かれた原告本人尋問では、原告・要石かなめいし謙次さんと大森克剛さんが証言しました。二人はともに広島の入市被爆者。要石さんは入市したことで受けた放射線から胃ガンの、大森さんは大腸ガンと胃ガンの異時重複ガンの治療と経過観察がつづいています。
 要石さんは、8月19日頃復員のために広島を通過した際、列車に乗れず広島駅付近で8時間程度を過ごした経過とその後の病状について証言しました。
 大森さんは学徒動員のため被爆の翌日の広島市内に入市した体験と重複ガンとのたたかいについて証言しました。
 二人に共通したのは、被爆したことを家族にも話していなかったことでした。被爆直後の広島の悲惨さと放射線の被害への不安と差別がその原因であったとの証言は、あらためて原爆被害の重大さを明らかにしました。