被爆者相談所および法人事務所
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原爆症認定集団訴訟 東京訴訟 残留放射線の影響は重大

キノコ雲の下での悲惨克明に
沢田昭二さん(名古屋大名誉教授)が明快に証言

 2005年3月3日、原爆症認定集団訴訟の証人尋問が東京地裁103号法廷でおこなわれ、原告、被爆者、支援者など100人が傍聴しました。証人尋問は東京地裁での集団訴訟で初。証人は、あずま原爆裁判で放射線の影響について証言した澤田昭二名古屋大学名誉教授でした。
 はじめに、被爆者でもある澤田さんは、14歳のとき広島で被爆し、家族を失ったことから物理学者を志した体験を語りました。つづいて、国側が無視している残留放射線の影響について、体の表面や体内に取り込んだ放射性物質が継続して人体に重大な影響を与えるメカニズムを、映像を使いながら説明。放射線被害の発生の仕組み、影響を与えた地域と期間について、急性症状の発症率と比較しながら克明に証言しました。
 国側がいまだに原爆症認定審査の根拠としている放射線被曝線量推定方式「DS86」は、広島の爆心地から2.5キロ地点で実測された数値と比較して172倍のずれがあるなど、「国が放射線の影響はない」としている2キロ以遠での過小評価についても言及。DS86を見直したとされるDS02も、これらの問題が改善されていないことを指摘しました。
 この日、澤田さんは午後1時から5時まで4時間にもわたった尋問に、専門の物理学と統計学の知識を生かして、ていねいに対応。閉廷後、尋問を担当した竹内英一郎弁護士が「お疲れさまでした」と声をかけると、「証言するより尋問項目をつくる方がたいへんです」と、30歳近く若い竹内弁護士にねぎらいの言葉をかけていました。

沢田昭二氏

集団訴訟の日程

4月4日 原告本人尋問 林さん、河合さん、練馬H子さんの3人

 原爆症認定集団訴訟の2回目の原告本人尋問が4月4日に東京地裁でおこなわれます。証言する原告はいずれも広島で被爆した林太荘さん(前立腺ガン)、河合政江さん(肝硬変肝腫瘍)、練馬H子さん(悪性黒色腫)です。傍聴席は42席です。傍聴を希望する人は、東友会にご一報を。

4月21日 証人尋問 岩佐幹三さん

 4月21日午後1時15分から、原爆症認定集団訴訟の2回目の証人尋問が東京地裁103号法廷でおこなわれます。証人は日本被団協事務局次長、金沢大学名誉教授の岩佐幹三さん。日本被団協の各種の被爆者実態調査を長年分析してきた岩佐さんの放射線被害の実態に関する証言が期待されます。