ノーモア・ヒバクシャ東京1次訴訟控訴審 原爆被害の総合性を陳述
2016年9月27日、東京高等裁判所でノーモア・ヒバクシャ東京第1次訴訟控訴審の第2回弁論が開かれました。2015年10月に東京地裁が出した原告17人全員勝訴に対して、厚生労働省側が控訴した5人についての審理です。5人の原告の申請病名は、がん、脳梗塞、甲状腺機能亢進症がそれぞれ1人、心筋梗塞が2人。今回は、被爆者と支援者68人が傍聴しました。
法廷では、3人の裁判官がそれぞれ、傍聴席を見渡していました。原告と被爆者の高齢化がすすみ100席ある傍聴席を埋めることはできませんでしたが、判決などを除いて高裁での弁論に、傍聴席の7割が埋まることはほとんどないとか。
提出された文書の確認がされた後、若手の武田浩一、萱野唯両弁護士が弁論をおこないました。原爆が熱線、爆風、放射線の複合的な被害であること、放射線による急性症状の深刻さ、被爆者が受けた社会的な差別、放射性物質を体内に取り込んだ内部被曝の被害などについて、東京の被爆者の証言を紹介しながら陳述。この日は、スライドの法廷内での上映が許可されなかったため、傍聴者全員にスライドの写真がカラー印刷で配布されました。
国会内で開かれた報告会には弁護団をふくめて58人が参加。若手弁護士の陳述に賞賛の声があがっていました。
控訴審にたいして弁護団と医師団は、検討をすすめてきた厚労省側医師による意見書への反論の多くを10月中に提出するために、休日返上で奮闘しています。
次回の弁論は2016年12月1日午後1時30分から高裁101号法廷です。