被爆者相談所および法人事務所
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あずま数男かずお原爆裁判
控訴審勝訴にあたってのご遺族のあいさつ

 本日、「控訴を棄却する」と言う判決を聞いて、本当にうれしいです。
 でもこの判決は私ではなく、亡き夫東あずま数男かずおに出されるべきだったと思います。夫にこの判決を聞かせられなかったのが、本当に残念です。
 それにしても、この一年は一体何だったのでしょうか。東京地裁の判決に対して国が控訴さえしなければ、夫はまだ死ななくてすんだと思います。
 夫は昨年4月12日に、弁護士さんから、国が控訴したと連絡を受けてから、本当にがっかりして、5年間の裁判中緊張していた糸が切れて、生きる張りがなくなったみたいでした。あの時すでに「身体はボロボロだ」と言っていた主人は、夏には肝硬変、肝臓がんであることがわかって入院しました。
 入院中は事あるごとに「俺はもう勝ったんだ」と口癖のように言っていました。それは、「無駄な控訴はやめろ」、と言いたかったのだと思います。そして、苦しみながらも、「俺だけのことならもうやめてもいい、でも他の人のためにも頑張る」と言い続けました。
 私は判決を聞くことなく無念の死を遂げた夫に代わって心から訴えます。
 厚生労働大臣は、絶対に上告はしないでください。
 これ以上死者に鞭打つようなことはしないでください。

 主人は本当の最期に、「ありがとう」、「ありがとう」と何度も言っていました。
 長い間応援してくださった皆さんに心から感謝申し上げます。

2005年3月29日
あずま朝子

報告集会会場前方に並べられた机の席に立つ遺族のみなさん。一人が挨拶を読み上げており、マイクが差し出されている。一人が遺影を抱え持っている。
あいさつを読み上げるあずま朝子さんと遺族のみなさん