ノーモア・ヒバクシャ訴訟で最高裁要請 被爆の実相と法の精神で判断を
最高裁への要請行動と学習会が2019年2月1日、ノーモア・ヒバクシャ訴訟全国原告団と弁護団が主催して参院議員会館で開かれました。これは国が最高裁に上告した裁判に関するもので、日本被団協、および原告を抱える広島と愛知、東京、千葉、長崎の被爆者と支援者、弁護士ら、41人が参加しました。
冒頭、日本被団協の田中重光代表委員と宮原哲朗弁護士(原爆症認定集団訴訟全国弁護団事務局長)らが最高裁の審理をめぐる情勢に触れ挨拶。このあと参加者は最高裁に移動し、門前で集会を開いた後、代表17人が最高裁に入り1時間の要請。集められた2982(累計6490)人分の署名を提出しました。
最高裁で審理がすすめられている二人の原告、広島の内藤淑子さんと愛知・高井ツタエさんは被爆状況と健康被害を語り、支援者と弁護士は、争点となっている「要医療性」について、被爆の実態を直視し、放射線の人体影響の未解明さを踏まえること、被爆者切り捨ての方向ではなく「国の責任」を明記した被爆者援護法の精神にそって審理してほしいと要請しました。
この間、最高裁に入れなかった参加者は、議員会館に戻って中川重徳弁護士(ノーモア・ヒバクシャ訴訟全国弁護団連絡会事務局長)から、88年に長崎地裁に提訴した松谷訴訟から続く原爆症訴訟が勝ち取った成果と最高裁で審理がすすめられている「要医療性」の問題について学習しました。
最高裁に入った17人を迎えた報告会には、歌手の横井久美子さんが応援にかけつけ、日本被団協の木戸季市事務局長、東京弁護団団長の内藤雅義弁護士や広島と愛知の弁護士と支援者から、被爆の実態を示す感動的な要請行動を書記官がていねいに記録し、担当の裁判官に伝えると話したことが報告されました。
閉会にあたり、参加者の半数近くを確保した東友会の家島昌志執行理事が、「署名を集める行動は世論を広げること、署名提出は世論を司法に示すことです」と閉会のあいさつをのべました。