ノーモア・ヒバクシャ東京訴訟 亡夫にかわって原告になった妻が証言
ノーモア・ヒバクシャ訴訟の原告本人尋問が2013年12月24日、東京地裁703号法廷でおこなわれました。この日の尋問は寺西米子さん。異議申立の最中に亡くなった夫・勲さんに代わって訴訟を起こした人です。
勲さんは、爆心地から1.7キロの広島市三篠小学校校庭で被爆。脳梗塞と心不全で認定を申請し、却下されたあと異議申立をおこなっていました。
本人尋問で米子さんは、夫から聞いた被爆状況を証言しました。これにたいし国側代理人は、被爆したのは小学校の校庭なのか自宅なのか、証言が違っているとか、黒い雨にあったのは避難した林の中なのか、外なのかなど、被爆者本人でも記憶が薄れて明確に証言できない事柄を、現場での被爆体験のない、夫から生前に聞いたことしか知らない奥さんに問いただすという不公正な審問を重ねました。
それでも米子さんは、生前に聞いた夫の被爆状況を思い出しながら懸命に証言、傍聴していた人たちを感動させました。
被爆地点が1.7キロというのは、2013年12月に改定された新しい審査基準でも認定される距離です。国側が距離にこだわるのは、改定基準に関わるからだと思われ、傍聴に参加した被爆者たちは、寺西さん勝利に向けてがんばろうと確認し合いました。