被爆者相談所および法人事務所
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ノーモア・ヒバクシャ訴訟 大阪と長崎で判決 7人中3人勝訴

裁判所と厚労省 判断の落差が浮き彫り

 2019年5月末、大阪と長崎の地方裁判所がノーモア・ヒバクシャ訴訟の判決を相次いで言い渡し、7人の原告のうち3人が勝訴しました。

大阪

 23日の大阪地裁(松永栄治裁判長)は、広島被爆の原告2人のうち、爆心地から2.5キロで被爆した慢性腎不全の原告については勝訴判決を言い渡しましたが、1.5キロ直爆の原告の慢性肝炎と糖尿病の申請疾病については、軽度の脂肪肝によるとして「放射線起因性」を認めず、敗訴判決を言い渡しました。

長崎

 27日には長崎地裁(武田瑞佳裁判長)で長崎被爆の5人の原告に対する判決の言い渡しがありました。長崎の判決は、被爆2.5キロ直爆の急性心筋梗塞、2キロ直爆の甲状腺機能低下症の2人の原告は勝訴させましたが、慢性肝炎、舌がん、皮膚がん(ボーエン病)の3人の原告については「要医療性」を認めませんでした。

 この判決に対して、大阪の慢性肝炎と糖尿病の原告は大阪高裁に、長崎の慢性肝炎と皮膚がんの原告2人は、福岡高裁に控訴しました。
 今回勝訴した3人の原告について厚労省は判決を認めて控訴を断念しましたが、今回の判決でも、厚労省の審査と裁判所の判決との大きな差が改めて示され、「裁判ができない被爆者」が通常の申請をしても認定されないことの不公正さが、またしても明らかになりました。