ノーモア・ヒバクシャ訴訟院内集会 被爆70年の年にこそ全面解決を
各党代表も超党派での取り組み表明
「被爆状況によって、がんと心筋梗塞、甲状腺機能低下症、肝機能障害などに差をつけるのはおかしい」。この思いから全国で争われているノーモア・ヒバクシャ訴訟の全面解決を求めて、2015年6月18日、日本被団協と訴訟原告団、弁護団は衆議院第一議員会館で院内集会を開き、全国から169人が参加しました。
集会では、集団訴訟全国弁連事務局長・宮原哲朗弁護士が全国の動きを紹介。ノーモア・ヒバクシャ訴訟全国弁連団長・藤原精吾弁護士が全面解決の道筋について提言。5月20日の広島地裁判決で勝訴した原告・内藤淑子さんが、「国は黒い雨による被爆を過大視していると控訴したが、この訴訟は原爆被害、放射線被害の実態を明らかにし、『核廃絶』を実現する大きな力になる。原告全員が原爆症と認定されるまでたたかいぬく」と発言し、大きな拍手に包まれました。
その後、6党の被爆者問題にかかわっている国会議員が次々にマイクを持って、原告と被爆者を激励しました。
これを受けて、全国弁連事務局長の中川重徳弁護士が全国の動きと今後の課題を、日本被団協の田中煕巳事務局長が被団協の「提言」について説明。愛媛県の参加者から、「こうして集まることはとても励まされる。地方でもがんばる」などの力強い発言もありました。
原告団、被団協、弁護団は被爆70年の8月6日と9日の広島・長崎での総理の発言で扉を開きたいと、運動を強めています。
各党代表の発言
- 自民党:寺田稔衆院議員
- 第1次安倍内閣の際に集団訴訟の全面解決をしたが、引き続き問題がある。党幹事長に申し入れている。
- 民主党:郡和子衆院議員
- 総選挙後開店休業の議員懇を再出発させ、副会長を引き受けた。70年の節目をしっかり受けとめたい。
- 公明党:谷合正明参院議員
- 司法と行政の乖離がつづいていることは残念。与党で話しあい改善が必要と思う。
- 共産党:小池晃参院議員
- 今の基準は合理性に欠けている。被団協の提言は合理的。党派を超えて進めたい。
- 維新の党:初鹿明博衆院議員
- 超党派で力を合わせ一刻も早い解決のためがんばる。
- 社民党:福島みずほ参院議員
- 被爆者問題の全面解決に超党派を基本に、みなさんとがんばりたい。
ノーモア・ヒバクシャ東京訴訟
第1次は2015年10月に判決、第2次は年内結審・来春判決
ノーモア・ヒバクシャ東京訴訟がいよいよ大詰めです。17人の原告が提訴している第1次訴訟は、10月に判決が言い渡されます。第2次訴訟の原告は6人。9月16日の証人尋問の後、12月に結審、来春に判決となる見通しです。
ノーモア・ヒバクシャ訴訟全国原告団と東京原告団は、10月29日の第1次訴訟判決の後、日比谷図書館にある200人規模の会議室を会場に、全国集会を開くことにしています。