原爆症の認定を求めて東京地裁に20人が提訴
「新しい審査の方針」でも際立つ認定申請却下処分に一石 「原告をはげます集い」も
2012年3月27日、東京などに住む被爆者・遺族が原爆症の認定を求めて東京地裁に提訴しました(下表・原告番号1から19)。2011年12月に提訴していた1人をふくめて20人の訴訟が始まりました。
東友会は、裁判は被爆者にたいへんな負担がかかり、厚生労働省で原爆症認定の在り方に関する検討会がつづいていることから、2011年7月に集団訴訟が終結した後、裁判ではなく異議申立をすすめてきました。しかし、これまで集団訴訟の判決で勝利し認定された条件と同じ状況でも却下や異議申立の棄却がつづいているため、弁護士や医師と協議し、今回20人に提訴をよびかけました。
提訴後の「はげます集い」には千葉、神奈川、埼玉、茨城、静岡からの支援もあわせて116人が参加。原告の訴えを熱心に聞き、支援をつよめることを確認し合いました。
この訴訟の最初の口頭弁論は5月24日11時30分から、東京地裁703号法廷です。
原告番号 | 申請病名 | 性別 | 被爆時年齢 | 被爆地 | 被爆条件 | 争点 |
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1 | 下咽頭ガン(多重ガン) | 男 | 11 | 広島 | 8月11日入市 | 放射線起因性 |
2 | 腎臓ガン | 男 | 12 | 長崎 | 直爆4.0キロ、さらに8月9日入市 | 翌日入市の事実認定 |
3 | 腎臓ガン | 男 | 17 | 広島 | 8月11日入市(以後1.5キロ付近に滞在) | 滞在被爆の事実認定および放射線起因性 |
4 | 胃ガン | 女 | 8 | 長崎 | 直爆3.6キロ | 放射線起因性 |
5 | 乳ガン術後皮膚潰瘍 | 女 | 9 | 広島 | 直爆3.0キロ | 要医療性 |
6 | 膀胱ガン | 男 | 24 | 広島 | 直爆4.0キロ、さらに8月7日入市 | 翌日入市の事実認定 |
7 | 前立腺ガン | 男 | 7 | 長崎 | 直爆3.8キロ | 放射線起因性 |
8 | 前立腺ガン | 男 | 2 | 長崎 | 直爆3.6キロ | 放射線起因性 |
9 | 胃ガン | 男 | 0 | 広島 | 8月8日入市 | 要医療性 |
10 | 心筋梗塞・脳梗塞 | 男 | 7 | 広島 | 直爆1.7キロ | 放射線起因性 |
11 | 心筋梗塞 | 男 | 14 | 長崎 | 直爆3.5キロ+8月10日入市 | 放射線起因性 |
12 | 狭心症 | 男 | 9 | 長崎 | 直爆2.2キロ | 放射線起因性 |
13 | 狭心症 | 男 | 13 | 広島 | 直爆1.0キロ | 放射線起因性 |
14 | 心筋梗塞 | 男 | 17 | 長崎 | 直爆2.0キロ | 放射線起因性 |
15 | 心筋梗塞 | 男 | 11 | 広島 | 直爆3.0キロ | 放射線起因性 |
16 | 脳梗塞 | 男 | 10 | 長崎 | 直爆2.2キロ、さらに8月10日入市 | 放射線起因性 |
17 | 甲状腺機能低下症(橋本病) | 女 | 9 | 長崎 | 直爆2.5キロ | 放射線起因性 |
18 | 甲状腺機能低下症 | 女 | 3 | 長崎 | 直爆2.3キロ | 放射線起因性 |
19 | 慢性肝炎(B型) | 女 | 10 | 広島 | 直爆4.7キロ(実際の被爆は1.5キロ程度) | 直接被爆の事実認定 |
20 | 慢性肝炎(C型) | 女 | 16 | 広島 | 8月8日入市 | 放射線起因性 |