被爆者相談所および法人事務所
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「相談電話のこえ」 2022年

2022年「東友」11月号から

今からでもなんとか被爆者手帳を申請できないかと…

 83歳、女性。広島被爆。被爆者手帳を持っておらず、家族から被爆者手帳申請の相談。

 母は広島出身で、被爆時は5歳。実家は爆心地近くの本川小学校のそばにあったそうです。当日は市内から離れた叔母の家にいましたが、直後に家族を探すため実家へ戻ったそうです。この状況は被爆者手帳の対象になるのではないでしょうか。
 母の兄弟姉妹のうち、兄の1人だけが被爆者手帳を持っていて、他は持っていません。その兄が手帳を申請したときの陳述書には「妹は疎開していた」と書かれているため、母が当時、市内にいたことが確認できないでいます。この陳述は、妹の結婚などを配慮しての内容かとも考えられますし、確かに疎開していた兄姉もいますが、当時5歳だった母が疎開していたとは考えにくく、母も実家まで行った記憶があるといいます。
 当時の様子を知っている人はみな亡くなっていますが、今からでもなんとか被爆者手帳を申請できないかと思っています。

2022年「東友」10月号から

「介護手当」の診断書は、外国の病院の医師のものでもよいのでしょうか。

 76歳、女性。広島胎内被爆。現在は外国で療養中。日本で療養させるための準備について家族から相談。

 母は外国にいる長男のところで暮らしていましたが、がんが見つかりました。現在、その国の病院で治療を受けています。同時に、長男も体調を崩し、母の世話をするのは大変になってきました。そこで、日本に連れて帰りたいのですが、どんな準備が必要でしょうか。
 母の住民票は東京にあり、次男の私が同居になります。帰国したらすぐ、私と妻で介護できるように準備していきたいと考え、調べていたら、被爆者の制度に「介護手当」があるのを知りました。
 「介護手当」の申請には医師の診断書が必要とのことですが、いまかかっている外国の病院の医師でもよいのでしょうか。
 いささか特別な事例のようで、調べていてもわからないことがあります。しっかり準備して母を迎え入れたいと考えていますので、いろいろアドバイスいただけると助かります。

2022年「東友」9月号から

わからないところがあったら、何度も電話してよいでしょうか。

 84歳、女性。広島直接被爆。今後の介護保険の利用と「被爆者の制度」の申請書類の書き方の相談。

 これまで要支援1で、別居の娘に自宅まで来てもらい介護を受けていましたが、先日転んで骨折。ますます動けなくなりました。転んだとき救急車で運ばれたのですが、私はもともと心臓や腎臓も悪く治療を受けているめ、「その身体では手術は無理」と言われました。
 自宅で療養することになり、東友会に電話して現状を説明したところ、要介護度の変更、ヘルパー利用料の助成、「一般(他人)介護手当」の申請などを勧められ、書類を送ってもらいました。
 介護保険の要介護度の変更はケアマネジャーに手続きをお願いしました。でも、他の申請書類の書き方がよくわかりません。説明を聞いたときはわかったつもりでも、忘れてしまうことがあります。娘も病気がちなので、あまり負担をかけたくありません。わからないところがあったら、何度も電話してよいでしょうか。

2022年「東友」7月号から

厚労省は私が子宮がんであることを疑っているのですか。

 78歳、女性。長崎・爆心地から3キロで被爆。原爆症認定の照会についての相談。

 (2022年の)4月に東友会のお世話で出した原爆症認定申請について、6月末に厚生労働省から問い合わせが届いたとご連絡いただきました。東友会から病院に依頼し、7月に追加の書類を出してくださったそうですが、厚労省は私が子宮がんであることを疑っているのですか。私の被爆状況でしたら、がんであれば認定されると聞いています。
 昨年(2021年)末に手術で子宮を全部取りました。その後、放射線や化学療法を3カ月も受けました。とくに、がんの転移を抑えるためという放射線と化学療法が辛かったです。私ががんでなければ、こんな治療は受けなくてもよかったはずです。
 厚労省が追加で聞いてきたのは、手術のときの報告書や放射線治療や化学療法の治療日や薬剤名や量とか。医師が診断書を書いてくださっているのに、なんでそこまで細かい資料が必要なのか、私には理解できません。

2022年「東友」6月号から

介護手当申請のための診断書を、主治医は「書けない」と…

 85歳、女性。広島直接被爆。診断書を書いてもらえないことについての相談。

 介護手当の申請をしようと診断書を主治医にお願いしたところ、書けないと言われました。
 25年ほど前に大腿部を骨折したことがきっかけで身体障害者手帳を発行してもらいました。その後、狭心症といわれペースメーカーを入れて身体障害2級になりました。現在の要介護度は要支援1ですが、思うように動けず買い物にも一人ではいけません。人の助けがなければ生活ができません。
 「東友」新聞を見て、一般(他人)介護手当が認められればありがたいと思い、申請書を送ってもらいました。
 複数の医師に診てもらっていますので、介護手当用の診断書を書いていただけないかと、東友会から送ってもらった説明書もお渡しして、先生たちに相談しましたが、「書いたことがないから」「被爆者のことはよくわからない」と、みんなから断られてしまいました。今の私の体調では遠くの病院まで行けません。

2022年「東友」5月号から

原爆症認定申請をしたいが、被爆者手帳の内容が正確でないらしく…

 76歳、男性。広島被爆。肝硬変での原爆症認定についての相談。

 私は2014年に申請して大腸がんで原爆症と認定され、「医療特別手当」を受けていました。その後回復して、今は「特別手当」を受けています。
 先日、病院でMRI検査を受け、肝硬変だと診断さました。肝硬変も原爆症認定の指定された病名だと聞いたので、改めて申請したいと思いましたが、3.5キロ被爆だけでは認められないとも聞きました。
 被爆時、父が爆心地付近の小網町で行方不明になったので、母は生後2カ月だった私を背負って、翌日から2日ほど捜索に行ったと聞いています。小網町は1キロ以内なので、翌日まで入れば認定の対象になると聞きました。亡くなった母が被爆者手帳の申請を出してくれたので、そのことが申請書類に書いてあると思い、東京都に調べてもらいましたが、どうも入市のことは記入がないようです。このような場合、どうしたらいいのでしょうか。

2022年「東友」3月号から

新型コロナウイルス感染症の影響もあり、父の退院先を決められず…

 83歳、男性。長崎直爆。現在、入院中。娘から退院先についての相談。

 父の退院先を決められず、困って電話しました。
 父は昨年、脳梗塞で入院。リハビリ病院へ転院して車いすへ自分で移れるようになり、自宅で一人、療養していました。日常的には、「一般(他人)介護手当」を受け、別居の私がショートステイを利用しながら介護してきました。
 ところが、この2月に新型コロナウイルスに感染。入院中に体力も筋力も落ちて自力で車いすに移ることができなくなりました。いま入院しているのはコロナ病棟なので、治療が終わったらすぐ出て欲しいと言われています。
 病院からは、自宅介護を含めいくつかの選択肢をアドバイスされましたが、施設入所は現状で難しく、かといって今の状態の父を自宅で私一人が介護するのは限界です。少しでも父が回復できればと願うのですが、いつも使っていたショートステイ先もクラスター発生のため利用できない状況です。

2022年「東友」2月号から

目が悪いのは被爆が原因だと思います。原爆症として認められないでしょうか。

 78歳、男性。長崎直爆2キロ。原爆症認定申請についての相談。

 あの日、姉と一緒に屋外で被爆しました。2歳でした。被爆距離は2キロです。顔に火傷を負い、目のまわりが腫れ上がっていたそうです。それはしだいに回復しましたが、後遺症が残りました。同じように被爆した姉は失明しました。私は失明はしませんでしたが子どもの頃から眼科の治療を受けていまます。
 大人になるにつれて視力が低下し、これまで角膜の手術を3回ほど受けましたが改善しません。主治医は「理由がわからない」「失明する可能性が高い」と言っています。目が悪いため資格試験なども受けられず、きちんとした仕事に就くこともできませんでした。生活は楽ではありません。
 姉は障害者手帳が認められ手当も受けていますが、今の私の視力では障害者としては認められていません。私の目が悪いのは被爆が原因だと思います。原爆症として認められないでしょうか。

2022年「東友」1月号から

私も一人暮らしですし、いつまで姉の面倒を見られるか、たいへんに不安です。

 76歳、女性。広島3キロ直爆。認知症の症状が出てきた独居の姉について相談。

 近所に住む3歳年上の姉も広島で被爆しました。姉は脳腫瘍の手術の後、年明けに退院しましたが、いまアパートで一人で暮らしています。生活保護を受けています。1年前に肺がんの手術も受けました。
 退院後はヘルパーさんが中断していて、いま私がすべて介護しています。先日、夜中の2時に隣の部屋のドアをたたいて騒ぎになりました。認知症の症状が出たようです。さいわい、肺がんを手術してくれた病院の先生が心配してくださり、脳腫瘍のことも含めて今後の姉を診察してくださることになりそうです。
 でも私も一人暮らしですし、人の言うことをなかなか理解できなくなり、体力も落ちてきたので、いつまで姉の面倒を見られるか、たいへんに不安です。それで、親切にしてくださる地区相談員にお話ししました。東友会に電話をしてくださったのですね。東友会からも電話をいただいて、安心できます。