被爆者相談所および法人事務所
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「相談電話のこえ」 2016年

2016年「東友」12月号から

原爆症認定の審査基準について2つの相談

広島被爆、86歳、男性。8月16日入市。

 原爆症認定申請を出しましたが「起因性がない」と却下されました。私は7年間、前立腺がんの治療を続けています。手術の後に放射線治療を受け、ホルモン療法が続いています。
 8月16日に広島に入り、ずっとその場所にいました。「100時間後に入り2週間以上滞在」したのに、なんで認定されないのでしょうか。

長崎被爆、73歳、男性。4.6キロ直爆。その後入市。

 私は小さい頃から虚弱でしたが、ここまで生きてこられました。しかし、70歳を過ぎて尿管にがんが発見されました。手術の後、化学療法も受けました。
 私の被爆者手帳には、入市のことが記入されていませんが、90歳の従姉妹から8月11日に母に連れられて長崎市内に入ったと聞きました。私の記憶にはありませんが、被爆者手帳の被爆状況を書き換えることはできますか。

2016年「東友」11月号から

役所からのお見舞金と保健手当を、過去に遡って返還してくださいと言われました。

 70歳男性。広島胎内被爆。独居。生活保護受給。保健手当の扱いについての相談。

 福祉事務所のケースワーカーから、「役所から支給されたお見舞金と、私がもらっている被爆者の保健手当は『福祉的給付金』に当たるので、過去に遡って返還してください」と言われました。何年も生活保護を受けていますが、こんなことは言われたことがありません。
 ケースワーカーの説明では、「お見舞金が『厚労省次官通知』の月額8000円を超えるため、超えた額を収入認定する」に当てはまるとのことで、保健手当は1万7000円を超えているので「福祉的給付金」にあたり、併給している場合は「認定除外できない」とのことでした。
 まったく意味が理解できないのですが、不服なら東京都保護課を通して厚生労働大臣に問い合わせてくださいという文書が来ました。どうしても納得できません、どうしたらよいのか教えてください。

2016年「東友」10月号から

膝が悪くてリハビリを受けていましたが、来年3月で自費になるといわれました。

 82歳、女性。広島被爆。リハビリの費用についての相談。

 膝が悪くてリハビリを受けていましたが、来年3月で自費になるといわれました。どうしてですか。
 2年ほど前に両膝関節症と言われ、その後ずっとリハビリを続けてきました。介護保険は要支援1です。先日、主治医の先生から、「介護保険でリハビリは50単位なので週一回のリハビリで来年の3月で終わります」と言われました。
 私は医療保険でリハビリをしてもらっていると思っていたので、びっくりしました。昨日から介護保険になったようです。今日から50回と言われたので……。先生は、それ以上続けると病院の収入が半分になってしまうので赤字になってしまうと言っていました。
 私は、自分でも自宅でストレッチしたり、プールにいって歩いたりして努力しています。これは週1回病院で専門のリハビリを受けながらでした。病院で診てもらえなくなると、自分でやっていく自信がありません。もっと具合がひどくなったら、ますます困ります。

2016年「東友」8月号から

独り暮らしの姉が骨折。主治医から、退院しても独り暮らしはできないと言われ…

 広島被爆、90歳、女性。妹から今後の介護の相談。

 姉は独り暮らしです。骨折して、これまでの生活は無理になりました。どうしたものかと思い、電話しました。
 今まで姉は、私たち妹たちが交替で様子を見に行く程度で自分で身のまわりのことはできていました。今年初めに大腿骨頸部骨折を起こして入院してしまいました。いまはリハビリ中です。主治医から、退院しても独り暮らしはできないと言われています。特別養護老人ホームを探しましたが、いつ入れるかはわからない、と言われました。
 やむを得ず、本人にも説明して、有料老人ホームを探し、申し込み手続きをしました。ところがいざ契約となると、本人が頑なに拒絶してしまうのです。
 これからも自宅で気楽に暮らしたいという姉の気持ちは、私たちにもよくわかります。でも他の妹たちも身体の調子はよくなくて、とても姉の介護には通えません。私もいろいろな手続きをしてやるのが精一杯なのです。

2016年「東友」7月号から

妻の介護をしながら書類を用意することに、私は疲れ切ってしまいました。

 78歳、女性。広島被爆。夫より介護保険と被爆者の制度についての相談。

 妻は大腸がんを患い原爆症認定を受けていました。今年が更新だったようですが、2月に転んで圧迫骨折をおこし要介護度4と判定されました。このため通院ができず、手術の後遺症で排尿障害がありましたが、手当の継続はできなかったようです。
 そのときに東友会から介護に関する被爆者の制度があると教えていただいたようですが、妻の話が要領を得ないので、私から電話しました。
 夫婦だけの生活なので、入浴の介助などに週2回ホームヘルパーに入ってもらう以外は、すべて私がしています。訪問リハビリにも入ってもらっていましたが、かえって痛くなると言いますので中止しました。
 妻が動けなくなってから、介護保険のサービスを使うのに一つひとつ契約を結ばなくてはなりませんでした。介護をしながら書類を用意することに、私は疲れ切ってしまいました。私も年を取っていますので、複雑な手続きをすることは気が進みません。

2016年「東友」6月号から

独り暮らしで親族は誰もいません。死んだら広島の慰霊碑の名簿に入れてもらいたい。

 86歳、男性。広島直爆。死亡後の手続きについての相談。

 独り暮らしです。親族は誰もいません。死んだら広島の慰霊碑の名簿に入れてもらいたい。どうしたらいいですか。
 私は相生橋のところで被爆しました。いっしょにいた友だちはみんな死んでしまいました。今では、兄弟や妻と子もみな亡くなり、まったく一人きりになってしまいました。万一のことを考えると不安になって、友人に手伝ってもらいながら身の回りのことを整理しています。
 自分が死んでからの手続きも友だちに頼むつもりです。その時、必要な書類をいただいておきたいです。それと、広島の慰霊碑の名簿に名前をのせてもらうための手続きの仕方も教えてください。それも友人に説明しておきたいと思います。

2016年「東友」5月号から

一人で夫を介護しています。体調もよくありませんが手当は何も受けておらず…

 74歳、女性。長崎5.4キロ直爆。被爆者の手当についての相談。

 夫と二人暮らしです。夫は被爆者ではないのですが、多発性骨髄腫にかかり治療中です。私が一人で介護しています。私も体調はよくありません。これまで、被爆者の手当は何も受けていません。
 こんな相談をしてよいのだろうかと思いながら、恐るおそる電話をしました。私はかかとの骨折があり、腰椎圧迫骨折でコルセットを作ってもらいやっと動いている状態です。最近は呼吸も苦しくて肩で呼吸をするようになってしまいました。体重も減って30キログラムを切っています。夫を病院に連れて行ったり、介護するのがとても大変です。
 かなり以前に、膝を痛めて整形外科にかかったとき、被爆者の手当がもらえないか医師に聞いたところ、原爆とは関係ないから診断書は書けない、といわれたので諦めていました。
 このままの状態が続けば、死んでしまうかもしれないと、主治医からいわれています。私がもらえる被爆者の手当はありませんか。

2016年「東友」4月号から

身寄りもなくほぼ寝たきりの方で、後見人を立てなければと思っていますが…

 92歳、女性。長崎被爆。独居。ケアマネージャーから後見人についての相談。

 独り暮らしで難聴、頭はしっかりしているがほぼ寝たきり、各種手続きも自分ではできません。後見人を立てなければならないと思っています。
 前任のケアマネージャーが介護手当の申請を手伝っていたようですが、交替になりました。今回、介護手当の更新手続きをやっておかなければ経済的に困難になると思うので手伝っていますが、このようなお手伝いはケアマネージャーの業務外の仕事になるので、今後は無理です。
 ご本人とのコミュニケーションが取りづらく、なかなか信頼関係を築けません。後見人を立てるためにこれまでも専門家に依頼し契約直前までいったことはあるのですが、最後になって、ご本人が財産を騙し取られるのではないかと不安を抱かれ、成立しませんでした。
 ほかに身寄りが居ない方なので、地域包括支援センターや社会福祉協議会などとも相談していますが、解決の方向が見出せず悩んでいます。

2016年「東友」3月号から

再発した甲状腺腫瘍の治療が始まったとたんに肺がんが見つかりました。

 74歳、長崎被爆、女性。原爆症認定申請についての相談。

 私は肺がんのステージ4と診断されました。一番進んだがんとのことです。
 被爆から54年目、60歳のとき被爆者手帳を申請しました。実際は長崎市の中町教会の近くで被爆しました。爆心地から2.5キロぐらいと言われていますが、証人がすべて他界していたので、8月10日に母に背負われて長崎医大の叔父を捜索に行った入市被爆で手帳が交付されました。
 15歳ぐらいから甲状腺腫瘍の治療を受け、25歳で手術しましたが昨年再発し、治療が始まったとたんに肺がんが見つかり、それも進行がんとのことでした。この肺がんを原爆症と認めてほしいと思って電話をしました。

2016年「東友」2月号から

60歳を過ぎてから身体のあちこちがおかしくなり、被爆者手帳は使ってきましたが…。

 75歳男性。広島3.4キロ直爆。今まで被爆者の制度を知らなかったので教えてほしいと相談。

 私は、若いころは元気で被爆者手帳のことはあまり気にしてきませんでした。60歳を過ぎたことから身体のあちこちがおかしくなってきました。被爆者手帳で医療費が無料になることは知っていたので、病院にかかるときは使っていました。3年前に脳腫瘍が見つかり、医師からは良性なので様子を見ましょうといわれ、次第に通院しなくなりました。同じころ足に静脈瘤も見つかったのですが、こちらもとくに治療は受けていません。最近、頭痛がひどくなり、下半身の筋肉も弱って急に体力が落ち、ベッドから起き上がるのも何かにつかまらないとできません。
 外出はできますが長く歩くのは困難で、家は3階なので階段を昇ると部屋の前で休憩を取らなければならないほど息切れします。入浴するときに転んでおぼれかけたこともあります。何か利用できる被爆者の制度はありますか。教えてください。