被爆者相談所および法人事務所
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東友会が総会 一般社団法人と協議会

一般社団法人総会 すすむ高齢化の対応を強化しつつ
被爆者は核兵器廃絶を求め続ける

 東友会は2023年6月11日、一般社団法人の第75回総会と協議会の第67回総会を文京区の平和と労働センターで開き、活発な議論と旺盛な交流がおこなわれました。

 一般社団法人東友会の総会は、法人会員90人中85人(委任状21人分を含む)が参加しました。
 総会は、司会による開会宣言と黙祷のあと、家島昌志代表理事が開会の挨拶。総会に寄せられたメッセージの紹介の後、秋山純、市川順子理事を議長に、細谷正幸理事と原征夫会員を運営委員に、澤原義明、塚本晴彦会員を書記に選出し、定足数を確認して議事に入りました。
 最初に、法人の理事と監事について、湊武執行理事が新任2人を含む被爆者6人、被爆二世2人、医師1人、弁護士1人を含む14人の理事と、弁護士1人と被爆者1人の監事2人を提案。全会一致で承認されました。

全体の基調と2022年度報告

 「基調報告案」は家島昌志代表理事が提案しました。このなかで家島代表理事は、G7サミットで発せられた「広島ビジョン」を厳しく批判。「核戦争の生き証人」として被爆者は核兵器廃絶を求め続けること、被爆者の高齢化に対応した相談事業をすすめることなどを強調しました。
 昼食後は、2022年度の「事業報告案」を村田未知子執行理事がおこない、映像を使って核兵器廃絶と相談事業などでがんばる東友会と支援の人びとの姿を紹介しました。
 会計の「決算報告」は濱住治郎執行理事がおこない、東友会の活動は、東京都からの1500万円の委託事業費と、被爆者や都民から寄せられた930万円の募金、東京都原爆被害者協議会から400万円余の寄付を受けて執行できたことを報告。この決算についての「監査報告」は、内藤雅義監事がおこないました。
 討議では、「区内の数カ所でサロンを開き、被爆者が自由に話し合う機会をつくって好評」「90歳を超えた被爆者の証言をDVDに収録して広島の資料館に送った」「被爆者に電話をかけて現状を調査し、活動に生かしている」などの報告が出され、「基調報告」「事業報告」、「決算報告」、「監査報告」はすべてが全会一致で承認されました。

会場前方、「第75回 一般社団法人東友会 第67回 東京都原爆被害者協議会 定期総会」と大きく横書きされた看板が天井近くに下げられている。その下には東友会の旗が下げられている。その手前、参加者に向けておかれた長机の席で、立ってマイクを使い話している人がいる。他の出席者は、並べられた長机に着席しい、資料に目を落とすなどしながら話を聞いている。
東友会の活動について話し合う総会参加者たち

2023年度の計画と決意

 2023年度の「事業計画」は、東友会結成65周年事業と東友会の将来展望をメインに、核兵器廃絶を求める運動と高齢化に対応した相談事業などについて中西俊雄執行理事が、「予算案」については濱住執行理事が、それぞれ提案し、質疑応答を経て承認されました。
 質疑応答と討議では、参加者が次々に手を上げ、「区立の平和資料館建設の署名を支援者とともにはじめた」など積極的な発言が続きました。
 とくに発言が多かったのは、東友会と地区の会の組織維持の問題。各地区から「被爆者だけでは組織維持ができない」「会則の改定を予定している」「被爆者の会で受けている助成金がどうなるのか調べることが必要」などの発言が続き、この件に絞った検討を9月に法人理事会で、10月に地区代表者会議を開いて議論することが提案され、「事業計画」「予算案」とも全会一致で承認。「総会決議」は、齊藤玉子会員が読み上げて提案。大きな拍手で承認されました。
 議長解任の後、村田執行理事が、東友会の機構、今後の日程を説明。家島代表理事から、昼食時に開いた第1回理事会で互選した法人役員と法人総会の前に開かれた協議会役員の紹介があり、的早克真理事のリードで「原爆許すまじ」を全員で合唱。最後に青木克明理事が閉会の言葉を述べて閉会しました。

会場前方、「第75回 一般社団法人東友会 第67回 東京都原爆被害者協議会 定期総会」と大きく横書きされた看板が天井近くに下げられ、その下には東友会の下げられている。その手前に、新役員らが横一列に並んで席の方を向いて立っている。他の出席者は、並べられた長机に着席している。
新年度の役員を先頭に

協議会総会 財政中心に 議事は少なくてもきちんと討議

 東京都原爆被害者協議会の総会は、法人総会に先だって開かれ、協議会理事65人中55人(委任状7人を含む)が参加しました。
 協議会総会は2012年度から、「基調報告」「事業報告」「事業計画」が法人と同一であること、協議会理事65人全員が法人会員であることから、役員選出と財政関係だけが議題になっています。
 木村一茂協議会常任理事と杉野信子協議会理事の司会で始まった協議会総会は、黙祷ののち運営委員に中西俊雄協議会副会長、議長に興田茂協議会担当理事を選出。濱住治郎副会長が2022年度決算について報告し、石飛公也・広中弘道会計監事が監査報告。全会一致で承認されました。
 予算案も濱住副会長が提案して承認され、2023年度の新役員については、湊武役員推薦委員会委員長が提案し、承認され、休憩の後、法人総会が開かれました。

総会のあと茶話会で交流

 総会後は、長崎カステラと紅茶で、東友会初の「茶話会」を開会。湊・村田両執行理事の司会で、参加した被爆者は地区ごとに、法人会員の被爆二世、医療関係、平和団体などのメンバーもそれぞれにマイクを持って自己紹介や抱負を語り合いました。「茶話会」に出た会員からは「久々に交流できて元気が出た」「このような場は必要だ」などの声がありました。