被爆者相談所および法人事務所
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2024年・被爆79年目を迎えて 一般社団法人東友会代表理事 家島昌志

家島昌志 代表理事

 新年あけましておめでとうございます。
 新型コロナウイルス感染症も感染症法上の第5類に移行し、インフルエンザと同類とされましたが、そのインフルエンザが猛威を振るう中での年明けとなりました。
 新年早々には、能登半島大地震や羽田空港での大事故が発生するなどとんでもない幕開けとなりました。近年は地球温暖化もあって世界中で大規模森林火災や大洪水など油断ならない状況が続いています。地球温暖化対策も引き続き重要です。
 2023年11月、ニューヨークで第2回核兵器禁止条約締約国会議が開かれ日本被団協からも代表を派遣しました。関連行事も含めて、被爆者の訴えは世界の代表たちに強く印象づけられたはずです。会議では核兵器の禁止を堅持し核兵器の使用と威嚇を明確に非難する政治宣言が採択されました。世界の潮流は確実に核兵器廃絶へと向かいつつあります。
 唯一の戦争被爆国である日本政府は同盟国アメリカに忖度し、国民ならびに世界を失望させる会議ボイコットを続けており、私たちを失望させました。私たちは日本政府に対し、世界に対して恥ずかしい外交政策の転換をさらに強力に訴えねばなりません。
 2022年2月にはロシアがウクライナに侵攻。核兵器使用も辞さないと威嚇し戦線を拡大しました。2年におよぼうとするも戦線は膠着状態です。2023年10月にはパレスチナとイスラエルの紛争が勃発。核兵器使用も選択肢の一つと述べるイスラエル閣僚が現れる事態となりました。ロシア・ウクライナ戦争とあわせて、核兵器の使用を断固阻止し、紛争の早期解決を目指さなければなりません。
 東友会は2023年、発足65周年という記念すべき年を迎え、11月にはKKRホテル東京において盛大に記念式典を開くことができました。65周年記念誌も発行することができました。東京の被爆者は3000人台まで減少し、平均年齢85歳と高齢化しており、被爆者自身の活動も終焉に近づいていると考えざるを得ず、最後の周年事業になることも覚悟した次第です。
 私たちの団体の特質上、高齢化はやむを得ないことです。いかに被爆者の相談に応える体制を維持するかは最重要課題です。
 私たちが強く願ってきたのは、被爆者を救うとともに人類を救うことです。そのために被爆者の証言活動は引き続き重要課題であると同時に、体験を記憶している被爆者が語れなくなった後の証言継承対策も一層重要となります。
 私たちは老体となりましたが、核兵器廃絶と原爆被害への国家補償を目標に掲げ、本年もともに邁進しましょう。