被爆者相談所および法人事務所
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被爆78年目の広島・長崎 アクシデントあるも「あの日」を思い奮闘

 東友会は2023年も平和祈念式典に参列する代表を広島・長崎両市に3人ずつ予定していました。しかし派遣予定者の体調不良、台風の襲来のため、広島への死没者調査員2人だけの派遣になりました。
 広島市派遣遺族代表・松田帛子さんは、99歳という高齢でしたので、家族の付き添いを予定していましたが、直前に体調を崩したため広島行きを断念。死没者調査員は引き継ぎもあって村田未知子執行理事と的早克真理事が担当しました。
 8月5日には、全国の被爆者団体が植樹した鶴見橋西詰にある「被爆者の森」の東京の木イチョウの生育を確認。その後、中央公園に植樹した東京の木ケヤキがあったサッカー場の工事現場を訪ねましたが、立ち入りはできませんでした。
 死没者名簿の照合依頼は、広島市国際会議場に設けられた市役所の出張所を訪問。東京都と東友会が掌握している239人分を依頼しました。
 「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式」は、6日にコロナ禍前の通常の状況で開かれ、東友会の死没者調査員は、地区の会の代表とともに参加することができました。
 式典後に代表は、「原爆の子の像」の隣に植樹されている葛飾の木クスノキへの献水式に参加。原爆供養塔の参道に半世紀前に植樹した8本のイチョウを確認し、慰霊碑に献花しました。
 「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」は、台風の直撃が予想されたため、主催者の長崎市関係者のみが参加することになり、遺族代表の佐戸惠美子さん(被爆二世・杉並)と調査員の岩永稔さん(葛飾)、的早理事は参加できませんでした。
 このため東京都から委託された死没者名簿の158人の照合は、東京都の了解を得て長崎市に郵送しました。

広島平和公園内、炎天下の広場での東友会の参加者集合写真。円形に原爆ドームが写っている。
広島平和式典の終了後に東友会からの参加者みんなで

2023年「平和宣言」の共通点

 毎年、広島・長崎で開かれる平和式典で市長が読み上げて発表する両市の「平和宣言」。2023年は特徴的なことがありました。
 それは、「世界中の指導者は、核抑止論は破綻しているということを直視し、私たちを厳しい現実から理想へと導くための具体的な取組を早急に始める必要があるのではないでしょうか」(広島)、「核抑止に依存していては、核兵器のない世界を実現することはできません。……今こそ、核抑止への依存からの脱却を勇気を持って決断すべきです」(長崎)の言葉に現れています。
 どちらの宣言も、岸田文雄首相が自画自賛する広島G7サミットの「広島ビジョン」が核抑止論を前提にしていることを、被爆者・市民の立場から批判しているのです。