被爆者相談所および法人事務所
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東京原爆展2014 5500人を超える来場者を迎え成功

 東友会は2014年7月18日から23日までの6日間、都庁第一本庁舎45階南展望室で「東京原爆展2014」を開催しました。この原爆展には、2014年も東京都、広島市、長崎市の後援、日本生協連、東京地婦連の協賛がありました。

多彩な来場者

 都庁展望室での原爆展は2014年で6回目。初日は、東京都福祉保健局の梶原洋局長や歌手の加藤登紀子さんなどが来場。東友会の大岩孝平代表理事などが案内しました。
 マスコミ各社の取材と報道もあって、期間中、都議や都職員、区・市の議員、都民と近県の人びと、被爆者とその家族、国内外の旅行者など5500人を超える人びとが来場。被爆者の父を車いすで案内する二世、テレビで見たからと杖をつきながら見学に訪れた高齢者、ベルギーから一時帰国した孫の小学生の姉弟を案内する女性など、多くの人が、熱心に展示に見入っていました。

東京原爆展の会場、展望台入り口近くの「原爆展」看板付近でパネルに見入る人たち
国内外の多くの人たちが訪れ、熱心に見学した東京原爆展

事前の準備も念入りに

 開催にあたっては、これまでの原爆展の教訓をふまえて準備を進めました。
 この会場は外国からの旅行者が多く訪れるため、東京の被爆二世の会「おりづるの子」の協力で168点の展示物のほとんどに英訳をつけました。原爆についてのQ&Aを日・英・中・韓の4か国語で作成し、当日はボランティアスタッフが入場者に配布しました。

テーブルで資料を見つつ話し合いながら感想文を書く3人の外国人男性
感想文を書く外国人旅行者

好評だった2014年の企画 ジュノー博士の事績や高校生の絵画などが好評

 今回のメインテーマは「原爆被害の実態と東京の被爆者たち」。3つのコーナーに分けて写真パネルや絵画、現物資料などを展示しました。
 第1コーナーは「原爆が人間に何をしたのか」をテーマに、爆風、熱線、放射線がもたらした原爆被害の実態を、絵、写真、東京の被爆者の証言で構成。とりわけ今回は、広島の惨状をいち早く知り、医薬品の提供と被爆者救援を世界に訴えた赤十字国際委員会のマルセル・ジュノー博士の資料を広島平和記念資料館から借用した展示企画がたいへん好評でした。
 第2コーナーは「原爆に抗して」をテーマに、被爆者と市民たちの様ざまな取り組みを紹介しました。とくに広島市立基町高校の生徒たちが描いた、聞き取り証言による絵画は注目をあびました。2014年がビキニ被災60年目にあたることから当時使われたガイガー放射能測定器や、練馬区の守屋純子さんが提供した8時15分を指したままの置時計など、現物資料を多数展示しました。
 第3コーナーは「核なき世界をめざして」がテーマ。2001年から2014年までの21世紀の東友会の運動を年表と23枚の写真、世界の「非核兵器地帯」を示したパネルなどを使って紹介しました。被爆者の訴えが核兵器の非人道性についての理解を広め、その禁止を求める国際世論を築いてきたことを再確認できる展示となりました。

原爆展会場内に据えられた資料も置かれたテーブルで、席に着いた中学生くらいの女の子3人に説明する原爆展スタッフの2人
子どもたちの質問に答えて
ガラスケースに入れて展示した被爆の現物資料の一部。本体が木製のどっしりとした置き時計は、8月6日広島に原爆が投下された時刻「8時15分」を指したまま止まっている
被爆者が保管していた時計
パネルを掲示していたついたてなどを台車に載せて倉庫へ運んでいる場面。展示されていた資料はケースにしまわれて積まれ、運び出す準備が済んでいる
設営・撤去の作業、お疲れ様

東京原爆展に寄せられた感想文

 「東京原爆展2014」は、多くの人びとに観ていただくことができました。寄せられた感想文の一部を紹介します。

  • 景色を見たいと思って展望台に登ったが、原爆展をやっていてびっくりした。ほとんどすべてを見た。主な記録・解説も読んだ。涙が出て止まらない。この展示はとてもよいと思う。我われは日本の状況を正確に把握して、平和を守りたいですね。(非被爆者/80歳代/男)
  • 福岡からやって来て、たまたま都庁に来ました。原爆の話は小学校のころから聞いていましたが、長崎に落とされた原爆は小倉に落とされる予定だったことを知り、とても複雑な気持ちです。残酷だからと目をそむけるのではなく、きちんと事実を子どもたちに伝えていかなければならないと思います。(非被爆者/40歳代/女)
  • 実際に被爆された方のお話を聞いて、あらためて原爆の悲惨さを知りました。福島の原発問題などもよく耳にしますが、他人事ではなく自分の意見を持ってすごしていきたいです。(非被爆者/10歳代)
  • 原爆の絵や資料などは何度も目にしているのですが、見るたびに胸が締めつけられ、「慣れる」ということなどないのだと思い知ります。(非被爆者/40歳代)
  • 多くの方が来られる展望台という場所で、このような展示がおこなわれているのはとてもよいことだと思いました。戦争、平和、原爆などについての知識は、私のような世代は知らない人も多いと思います。若い世代こそ、それらについて知り、感じ、語り継いでいかなければと思います。(非被爆者/20歳代/女)
  • 涙なしには読み続けられない手記や写真にたくさん出会うことができました。とくに高校生の絵や文章に深く心打たれました。(被爆者の家族/60歳代/女)
  • 見たこともないし、想像もできないし、ちっともわかりませんが、すごくすごく考えました。これから世界が平和になっていくとしても、こういうことを忘れた平和じゃなくて、きちんと覚えたまま平和であればいいと思います。(非被爆者/中学生)
  • 写真を見ていて胸が苦しくなり、涙が出てきます。最近のニュースで政府が新たな法解釈をしようとしております。次の世代が生きにくくならなければよいと考えております。(70歳代/女)
  • 私は戦争を体験していませんが、祖父母や父母から話を直接聞くことができた世代です。しかし、これからの世代は難しいでしょう。伝えることの大切さと、工夫や熱意をいかにして維持していくかが、とても大きな課題であると最近よく思います。(非被爆者/40歳代/男)
  • 日本はなぜ戦争をしたのだろう。こんなにたくさん人を殺すことはゆるされない。戦争はもうおこさないようにしたい。戦争で死ぬ人がでないようにしたい。(非被爆者/小学生)
  • 英語圏の人たちをガイドして日本旅行に来ています。たまたまこのような展示があることを知り、ぜひ行きましょうと案内してきました。とてもよい企画でした。これからも続けてほしいと思います。
  • 日本人も、外国からの人も、あの場に被爆者がいらっしゃることを知らない。とても熱心に展示を見ている人や、広島にも行ってきたという観光客に紹介したかった。「被爆者と直接お話したい方はお声をおかけください」の看板があったらどうだろうか。(非被爆者/60歳代)