被爆証言
被爆者の願いと証言
「私たちのような被爆者をつくらないでください」という願いをこめ、被爆者は各地で広島・長崎の「あの日」のありさまとそこで体験したこと、その後の人生を証言しています。
被爆者が受けた原爆の傷は、「あの日」で終わった傷ではありませんでした。目に見えない恐ろしい放射線は、その後も人間の体を内部からむしばみ、からだ・くらし・こころまでも苦しめ続けています。
(中略)
被爆者は、思い出したくない、忘れたい、隠したい、話したくない、できることなら原爆と関係なく戦後を生きたかったのです。しかし、原爆は否応もなく体に入り込んでいて、忘れることも逃げることもできませんでした。被爆者は、「体と心の中の原爆とたたかう」ことでしか生きようがありませんでした。
核兵器廃絶と平和を願う多くのみなさんが耳を傾けてくださったからこそ、被爆者は人間として、人類平和のために誇りを持って証言できるようになったのです。
「つたえようヒロシマ・ナガサキ 東京原爆展実行委員会」が1998年編集・発行した「体と心の中の原爆とたたかい」あとがきより引用
被爆者自身の証言に加え、NPT再検討会議への要請団に参加した被爆二世や東友会相談員の、被爆者の願いをうけついだうったえも掲載しています。