東友会結成60周年 記念講演・記念式典・祝賀会ひらく

原爆被害から立ち上がり組織を作って60年
被爆者の思い、各界との連帯を新たに

 東友会は、結成60年を記念して、2018年11月18日にKKRホテル東京で記念講演会、記念式典・祝賀会を開催。被爆者をはじめ各界から149人が集いました。

記念講演は世界の核情勢

 講演会の講師は、国際反核法律家協会理事の山田寿則先生。石飛公也理事の司会で、山田先生を推薦した内藤雅義弁護士(東友会監事)が講師を紹介しました。
 山田先生は、「核兵器禁止条約をめぐる国際情勢」について、パソコンで作成したスライドを使い、世界の核弾頭や核兵器に転用できる核物質の分布データーを紹介した後、国連が創設当初から核兵器の地球規模での廃絶を追求してきたにもかかわらず、今日核軍縮は停滞しており、むしろ悪い方向に向かっているとの認識が広がっていると分析しました。
 そして、核兵器で攻撃する姿勢を見せることで敵の攻撃を防ぐという「核抑止論」が、核保有に固執する根拠であると指摘し、核軍縮への人道的アプローチとして、対人地雷禁止条約やクラスター弾条約にならい、核不拡散条約(NPT)から核兵器禁止条約採択に至る国連を中心とした世界の動きを分かりやすく解説しました。

壇上から講演する山田寿則先生と、それを聞く参加者
内容の濃い記念講演に

記念式典では各界から祝辞

 つづく記念式典は、濱住治郎執行理事の司会で、原爆犠牲者への黙祷を献げて開会しました。
 大岩孝平代表理事の挨拶に続いて、東友会60年の運動を20分間にまとめた映像を、作成した村田未知子執行理事が紹介すると「たいへん勉強になった」「先達の活躍がわかって感動した」という声が寄せられました。
 その後、東京都福祉保健局の鈴木祐子疾病対策課長が局長のメッセージを、広島市東京事務所の杉浦信人所長が広島市長の、長崎市東京事務所の光武恒人所長が長崎市長のメッセージを、それぞれ紹介しました。
 今回の感謝状の対象は、結成50周年式典の後の10年間、東友会を支え続けている7団体の代表と協議会理事・法人会員として10年以上活動した26人の被爆者に、山田玲子執行理事の巧みな紹介で感謝状が贈呈されました。
 26人の被爆者を代表して、93歳の最高齢者と紹介された柴田フミノさんが、「あらイヤダ。年齢が知らされて」と笑いながら登壇すると、大岩代表がすかさず「みなさんの憧れですよ」とにこやかに感謝状を手渡すなど、和気藹々とした式典になりました。

壇上で挨拶する人と、それを聞く参加者
祝辞に耳を傾ける式典参加者(写真は東京都の挨拶)
自席でしっかり片手を挙げて起立する笑顔の被爆者
名前を呼ばれ元気に「ハイ!」

祝賀会は穏やかに和やかに

 この雰囲気のまま、祝賀会は、東都生協の松林潤子さんの手遊びと輪唱など参加者全員が参加できるアトラクションで始まりました。
 司会は湊武理事と村田執行理事が担当。参加した国会・都議会議員と団体の挨拶の後、東友会事務局長、会計などの重責を担って長年活躍し埼玉県に転居した三宅信雄さんの発声で乾杯。
 その後は、結成60年記念誌『生命もてここに証す』の企画・編集を担当した山本英典執行理事が苦労話を披露。参加した団体代表からは和やかで感動的な励ましが続きました。
 とりわけ、広島の「黒い雨」の研究で著名な気象学者・増田善信さんが東京非核政府の会の代表として95歳という高齢ながらもお元気に挨拶し、被爆者から「負けずにがんばらなくちゃ」という声があがりました。
 祝賀会のお開きは、松林さんの手遊びと「青い空は」の全員合唱。参加者は心をひとつにして、散会しました。

頭にさまざまな色の風船をいくつもつけてギターを弾き歌う人と、それを聞く参加者
祝賀会ではみんな楽しく

東友会結成60周年記念式典・祝賀会にご出席いただいた方々(敬称略・順不同)

 東友会結成60周年記念式典・祝賀会には、各界から多くの方々にご出席をたまわりました。紙幅の都合で、議員、自治体関係者のご芳名と、ご出席いただいた団体の名称を記し、御礼に代えさせていただきます。

【議員、自治体関係】

高木美智代(衆議院議員・公明党)、竹谷とし子(衆議院議員・公明党)、笠井亮(衆議院議員・日本共産党)、吉良よし子(参議院議員・日本共産党)、田村智子(参議院議員・日本共産党)、北川浩(山口那津男参議院議員秘書・公明党)、入江のぶこ(都議会議員・都民ファースト)、大津ひろ子(都議会議員・都民ファースト)、岡本こうき(都議会議員・都民ファースト)、田の上いくこ(都議会議員・都民ファースト)、中屋文孝(都議会議員・自由民主党)、大松成(都議会議員・公明党)、宮瀬英冶(都議会議員・立憲民主党・民主クラブ)、和泉なおみ(都議会議員・日本共産党)、藤田綾子(都議会議員・日本共産党)、山内れい子(都議会議員・生活者ネットワーク)、鈴木祐子(東京都福祉保健局保健政策部疾病対策課長)、杉浦信人(広島市東京事務所長)、光武恒人(長崎市東京事務所長)、田中和子(文京区議会副議長)、滝口幸一(小平市議会議長)、大和祥郎(国立市議会議長)

【各団体】

日本原水爆被害者団体協議会、千葉県原爆被爆者友愛会、埼玉県原爆被害者協議会、神奈川県原爆被災者の会、ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会、原水爆禁止日本協議会、第五福竜丸平和協会、東京都地域婦人団体連盟、東京都生活協同組合連合会、東都生活協同組合、東京民主医療機関連合会、東京都教職員組合、東京自治体労働組合総連合、東京地方労働組合評議会、岩波書店労働組合、公益財団法人全労連会館、原水爆禁止東京協議会、東京平和委員会、東京非核政府の会、東京反核医師の会、けやき平和コンサートの会、東京宗教者平和の会、自由法曹団東京支部、ノーモア・ヒバクシャ訴訟東京医師団、ノーモア・ヒバクシャ訴訟東京弁護団

この他、東友会と交流のある医師、弁護士、研究者、個人支援者のみなさまがご出席くださいました。

60周年記念誌『生命もてここに証す ―東友会60年のあゆみ―』
「涙ながらに読んだ」などの感想が

 東友会は、結成60周年を期して記念誌『生命もてここに証す 東友会60年のあゆみ』(A5判291ページ)を11月16日に刊行しました。結成25周年から5年ごとに刊行してきた東友会の周年記念誌は今回で8冊目。
 今回の中心の企画は、東友会が1971年から27年間、毎年の原爆犠牲者追悼のつどいにあわせて発行してきた小冊子『生命もてここに証す』で紹介してきた先達たち36人の記録。山本英典執行理事の企画を編集者の鍋島聖民さんが具体化しました。
 36人は、歴代会長など著名な被爆者だけでなく、地域で地道な反核・平和運動や相談事業を担ってきた被爆者も。この人びとがどんな被害を受け、何を考え、どう運動してきたかを紹介しています。
 第2部は、2017年8月14日にNHKが午後9時のニュースの特集にした東友会の相談事業をNHKの許可を受けて掲載しました。年間1万数千件の相談に対応し、被爆者一人ひとりの願いを生かす東友会の基本姿勢は、この相談事業にあることが、みごとに紹介されています。
 第3部は「写真で見る東友会の60年」。結成50周年、55周年と今回の60周年式典で村田未知子執行理事が作成したパワーポイントの写真から、東友会の60年を写真と短くわかりやすい解説で紹介。「一人でも多くの写真を使いたい」と東友会に保管されている写真から選ばれた貴重な写真も数多く掲載しています。これらの写真選びや校正には、熊田育郎・綿平敬三理事が事務所に詰めて対応しました。
 さらに、これら編集に携わった人が整理した60年間の東友会と世界の動きの日誌も収録されています。
 表紙は、デザイナーである東友会の石飛公也理事の力作。美しい空のイメージの青、被爆者が流した血と運動への情熱の赤、東友会のシンボルカラーと平和を示す緑を大胆に組み合わせています。

「生命もてここに証す ―東友会60年のあゆみ―」表紙

個人・団体に感謝状を贈呈

 結成60周年にあたり東友会は、35個人・団体に感謝状と記念品を贈りました。対象は、東京都原爆被害者協議会の理事としては10年間活躍してきた被爆者、事務局で10年以上働いてきた人、10年以上寄付などの支援をつづけてきた団体としました。
 個人への記念品は、「おねがい折り鶴」と題された高さ8センチ程の博多人形。博多人形師・伊藤芳美さん(長崎被爆)の作品。内閣総理大臣賞などを受賞してきた伊藤さんの最後の企画作品です。人形がかかげる折り鶴は広島市の「原爆の子の像」に献げられた折り鶴の再生紙で折られています。市販されていませんが、福岡市原爆被害者の会の協力で用意できました。

記念品の博多人形