東友会と東京都福祉保健局の懇談会
保健政策部長臨席のもと率直な意見交換

 2018年11月12日、東京都福祉保健局と東友会の27回目の懇談会が、都庁に隣接するビルで開かれ、東友会から22区市の36人、被爆二世3人、東友会相談員2人が参加。東京都からは、成田友代保健政策部長、鈴木祐子疾病対策課長、白石哲夫被爆者援護担当課長補佐など9人が参加しました。
 懇談会は、成田部長の挨拶の後、全員で黙祷。東友会の大岩孝平代表理事が挨拶した後、木村徳子さんが長崎での被爆体験を証言した後、「原爆被害は私で終わると思っていた。しかし娘ががんになった。医師からは、"母親の被爆のせいではないと100%は言い切れない"といわれた。キノコ雲の下であったことを知ってほしい」と自らの人生を語り、深い感動を与えました。
 2018年は、被爆者と被爆二世の健康診断の充実や更新手続きの簡素化、被爆証言記録の保存と普及、東友会への委託費の増額について、家島昌志、濱住治郎業務執行理事と湊武理事、村田未知子主任相談員が要望。介護保険の介護度が「要支援」の被爆者に対する新しい負担について的早克真相談員が、専門家として要望しました。
 参加者からは、(1)手当の更新手続きの簡素化、(2)守秘義務を理由に、死亡した親の被爆者手帳申請書を実子にも開示しないことの改善、(3)被爆二世の実態調査の実施――などの要望が出されました。
 鈴木課長からは、都が国に働きかけていること、東友会の委託費については必要性を訴えるとの回答がありましたが、参加者から出された質問については、例年と同様の内容にとどまりました。

たすきを掛けた被爆者の持つ署名板に署名する
成田部長の話に耳を傾ける参加者たち

東京都への要望項目(概要)
〈紙幅の制約上、一部の項目を割愛して掲載しています。〉

1.被爆者健康診断の充実について

がん検診の充実について

(1)胃内視鏡(ファイバースコープ)を実施する指定病院を増やしてほしい。
(2)肝臓・胆嚢・膵臓・脾臓・腎臓・子宮・卵巣・前立腺等の腹部の臓器を被曝することなく評価できる「腹部超音波検査」を追加してほしい。
(3)乳がん検診、子宮がん検診を各区市に1カ所以上に増やしてほしい。
(4)希望検診の時期にも胃がん、乳がん、子宮がん検診を受けられるようにしてほしい。

甲状腺機能に関する検査について

(1)被爆者健康診断に甲状腺機能に関する検査を追加してほしい。
(2)上記について、東京都として厚生労働省に働きかけていただきたい。

2.被爆者の高齢化に伴う制度の活用について

医療特別手当健康状況届に関する連携について

(1)今後とも東友会と対象者の名簿の照合をおこなうなど、担当者が連携した対応を継続していただきたい。

介護手当、訪問介護利用助成の更新手続きについて

(1)介護手当の更新時に、医療特別手当健康状況届の対応と同様に、東友会と対象者の名簿の照合をおこなうなど、連携した対応をしていただきたい。
(2)介護手当の更新を一律に1年とせず、政府の通達を生かして、症状に応じた更新期間の延長を検討していただきたい。

3.「被爆者の子」の健康診断と医療費助成制度について

被爆二世(「被爆者の子」)のがん検診について

(1)被爆者のがん検診に追加されている胃カメラによる検診を被爆二世にも早急に追加していただきたい。
(2)被爆二世の健康診断、がん検診は、すべて被爆者健康診断と同様の実施時期、実施内容としていただきたい。

4.東京在住被爆者の被爆体験の保存と普及について

(1)東京都の平和事業の窓口を一本化し、戦争被害の実態を後世に残す事業をすすめるよう関係部局に提案していただきたい。
(2)2020年の東京オリンピックの開催を目途に、既存の施設を利用するなどして、「東京オリンピック平和祈念館」(仮称)の開設をすすめていただきたい。

5.東友会への被爆者健康指導事業委託費の増額について

(1)福祉保健局として、削減前にもどす予算要望を提出していただきたい。
(2)高齢被爆者を対象にした東友会の相談事業の水準が保たれるよう、ご配慮いただきたい。

6.介護保険「要支援者」への新しい負担に対する助成について

(1)介護保険の施策から市区町村の介護予防・生活支援サービスとなった「要支援者」の自己負担を、従来通り無料とするよう検討し、国に対しても働きかけてだきたい。