国は違えど「核廃絶」の願いは共通
スコットランドで被爆証言 若者の成長に大きな期待
一般社団法人東友会執行理事 家島昌志

 スコットランド核軍縮キャンペーン(CND/Campaign for Nuclear Disarmament)からの要請を受け、2018年7月27日から29日まで、スコットランドのグラスゴーにおもむき、同団体主催のピースセミナーで被爆証言をおこないました。

大学でセミナー

 セミナーはストラスクライド大学のユニオンホールで開かれ、約70人の学生を中心とした若者が参加しました。
 まず全体会があり、スコットランドCNDのアーサー・ウエスト議長が歓迎の挨拶。続いて「反帝国主義の背景について」、「メディアとの共同について」などの講演がおこなわれました。午後からは「法的変化を促進して」「運動の倫理的議論」「募金集め」の3つの分科会に分かれて議論がおこなわれ、そのあと再び全体会があり、そこで被爆証言をおこないました。
 参加者の中には、中国、韓国、パキスタン、ヨルダン、ドイツなどからの留学生も混じっていました。証言を聞いたあとの質疑では、「被爆者としてなぜ日本政府の態度に抗議しないのか」などの質問が出ました。
 通訳は、ロンドンCNDの小林茂夫さん。2017年春、CNDの招きで被爆証言をおこなった山田玲子・山田みどりさんの通訳もされた方です。
 ユースホステルでの夕食後、バスでハイランドヒルに向い、そこでおこなわれたマグカップ祭に参加。CNDのロゴを人文字で描く式典で、いきなり「日本から来た被爆者のあなたに開会挨拶をして欲しい」と頼まれ、なんとか役割を果たしました。
 翌日は、スコットランド議会の国民党・緑の党・労働党の議員を招いてのパネルデスカッションと「演説法・発表法」など4つの技術的分科会で討議があり、夜はコミュニティーホールでのパーティーに参加しました。

壇上、主催者と通訳の間に立つ家島さん
紹介される家島さん(中央)。
階段状の座席いっぱいに埋めたセミナー参加者たち。
セミナー参加者は、大学生を中心にした国籍も多様な若者たち。質問も活発でした。

平和キャンプで交流

 3日目は、雨の中バスで北部のファスレーンに移動。ここは、英国のクライド海軍基地の中心地で、トライデント核ミサイルを搭載した原子力潜水艦部隊の母港です。同基地の外側には、核兵器に反対してたたかう「ファスレーン・ピース・キャンプ」が置かれています。
 この基地を見学し英国海軍における役割の説明を聞いたあと、ピース・キャンプに常駐している人たちと合流。激励・交流のひとときを持ちました。夏なのに、キャンプでは焚火をして暖を取るという寒さで、岬のレストランにはスチーム暖房が入っていました。
 初めて開かれたこのセミナーは、ある財団の寄付(日本円に換算して800万円相当)によって実現したそうです。
 セミナーを受講した若者の中から、一人でも二人でも平和活動を担う人材が育てばよいと祈りながら、スコットランドを後にしました。

【編注】今回の海外派遣費用は、東友会が呼びかけ、みなさまのご厚意でお送りいただいている「実相普及募金」から支出しています。